[自分でタイヤ交換]実は危険の塊だった!? ホイールナットの流用はダメ!! 超怖いありがちなミスって

[自分でタイヤ交換]実は危険の塊だった!? ホイールナットの流用はダメ!! 超怖いありがちなミスって

 皆さんは、自分でタイヤ交換をしたことはありますか? お店でやると工賃が掛かるし、そもそも行くまでがめんどくさい……なんて人も少なくないはず。そこで自らタイヤ交換DIYをしてみようと考える人も出てくるでしょう。ですが素人が安易に手を出すと取り返しのつかないことになるかもしれない。


※本稿は2024年4月のものです
文:小倉隆典/写真:SUBARU、TOYOTA、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年5月10日号

■そのホイールとナットの組み合わせ、大丈夫?

正しい知識がないと大きな事故にも繋がる
正しい知識がないと大きな事故にも繋がる

 春到来。「もう雪も降らんだろうし、そろそろ愛車のタイヤ変えるか」と、冬タイヤから夏タイヤへの交換を考える人も出てくる。タイヤ交換はお店に依頼する人が多いだろうが、なかにはDIYで交換する人もいることと思う。

 そこのタイヤ交換DIY勢の皆さん、ちょっと待った! そのホイールとナット、正しい組み合わせで使っていますか? ホイールが違うのにナットだけ流用、していませんよね?

■ナットはメーカーごとで形状が違う!

ナットにもいろいろな種類がある
ナットにもいろいろな種類がある

 2023年冬、企画担当の父親が愛車のタイヤを夏用から冬用に交換するため、タイヤ交換をディーラーに依頼。タイヤを新調するとともに、別途スタッドレス専用にスチールホイールも調達、購入していた。

 交換が終わって帰宅後、興味本位でクルマを見にいくと、なんと新調したホイールに本来使えないはずのナットを使ってタイヤを取り付けていたことが発覚。すぐさま「危ないから電話して合うナットに変えてきて!」と話し、ことなきを得たという珍事があった。

 ご存知のかたもいるかもしれないが、ホイールとナットは決まった組み合わせのものを使用しなければならない。正確には、ホイールナットとホイールが接触する面の形状が同じナットを使わねばならない。

 詳しくは後述するが、互いに形状が異なったものを使用すると、ナットがホイールと部分的にしか接触しなくなる。そのため、いくらトルクレンチで締め付けても適正トルクがかかりにくく、走行中に緩みやすくなる。ナットが緩めば脱輪という重大事故に繋がりかねないのだ。

■「ナットだから全部同じ」、というわけでは決してない

交換は事前に調べてから行おう
交換は事前に調べてから行おう

 夏タイヤと冬タイヤをそれぞれ持つ人は、ホイールも夏用と冬用を2セット用意していると思うが、もしも純正と社外のホイールを夏・冬で混ぜて使う人は要注意だ。いくら社外品でそのクルマ用と謳われているものでも、ナットの座面形状が異なる可能性がある。これを防ぐためにどうしたらいいのか?

 一番は「ホイール」と「ナット」はセットで用意すること。ナットだけ流用は危険なので絶対にやめておこう。

■「ホイールナット」だけでも多くのバリエーションが!

ホイールナット単体の形状と受け側のホイールの座面形状イラスト。3種類とも異なる形状をしていることがよくわかる
ホイールナット単体の形状と受け側のホイールの座面形状イラスト。3種類とも異なる形状をしていることがよくわかる

 ホイールナット座面の種類は全部で3つ。上の図にまとめたが、「テーパー型」「球面型」「平面型」の3種類が存在する。

 一番多く採用されているのがテーパー型だ。ホイールとナットともに60度の角度がつけられたテーパーを持つ。社外品のホイールでもこの座面を採用しているものは数多い。

 球面型はテーパー型と見た目は似ているが、座面自体に曲面がついているものだ。テーパー型より固定力に優れるが、採用しているメーカーは国産だとホンダだけである。

 最後に平面型だが、ナットにワッシャーのような板がついているのが特徴。だが、複雑かつ高価なせいかトヨタ・レクサス以外で採用例がない。

次ページは : ■輸入車でよく聞く「ホイールボルト」にも違いアリ

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