2024年で45回目を迎えた、東南アジア最大級の国際モーターショーである「バンコク国際モーターショー」。ショーの会場で購入契約ができるため、より現実的で商売っけのある雰囲気。アジアの活気を体現するモータショーなのだ!!
※本稿は2024年4月のものです
文、写真/諸星陽一
初出:『ベストカー』2024年5月10日号
■2024年で45回を数える歴史あるショー
2024年で45回を迎えたバンコク国際モーターショーが開幕。3月25、26日の両日のプレスデイと27日の一般公開日を取材した(会期は4月7日まで)。
バンコクモーターショーはほかの各国モーターショーとは異なり、ショーの会場で購入契約ができる。そのため、コンセプトカーや発売未定モデルよりも実際に購入できるクルマが多く展示されることが特徴だ。
今回のショーでもいわゆるショーカーと呼ばれるようなモデルは日産のハイパーツアラーコンセプトやメルセデス・ベンツのヴィジョンワン・イレブンが置かれていた程度。コンセプトカーであっても現実味が感じられるものが多く展示された。
会場となったチャレンジャーホールはバンコクの隣接県にある大規模展示場で、例年は1~3の3ホールを使っての展示だったが、今年は中国やベトナムからの出展車が多くなったため、急遽4ホールでの展示も行うという方針に変更。
屋内展示スペースの面積は6万平方mから7万6000平方mに拡大するという盛況ぶりであった。出展ブランドは実に49にものぼり、中国勢の台頭が目立つショーとなった。
■デリカD:5の弟分として、ぜひ日本導入を
●三菱 エクスパンダークロスHEV
三菱のアジア戦略車であるエクスパンダーと、そのクロスオーバー仕様であるエクスパンダー・クロスにハイブリッド仕様が追加された。アジア圏では電動モデルへの期待が大きく、両車はアジア圏内での三菱シェア拡大への貢献が期待されている。
■ベトナムの新興メーカーが手掛ける電動ピックアップ
●VINFAST VF WILD
ビンファストは、ベトナムのコングロマリット(複合企業体)の自動車部門のブランド。電動ピックアップトラックのコンセプトモデル、WILDは5m強の全長ながら全幅は2m以下に抑えられている。
■欧州市場に投入ずみのプレミアムフルサイズSUV-EV
●KIA EV9
キアのフルサイズSUV-EV。5m超の全長と3mを超えるホイールベースを持つ。駆動方式は2モーターによる4WDで、前後ともに192ps/35.7kgmのモーターが装備される。
■日本でもちょうどいいサイズとスペックを持つコンパクトEV
●NETA V-II
ネタは中国のEVメーカーでタイに製造工場を建設。その1号車となるのがコンパクトEVのV-II。全幅1690mmと、日本の規格なら5ナンバーに収まるサイズ。95psのモーターを搭載し、航続距離は382km。普段使いにちょうどいい。
■日本の自動車メーカーとして初のEV生産を行うホンダ
●ホンダ e:N1
日本メーカー初のタイ生産EVとなるのがホンダのe:N1。将来的にはギガキャスト方式も考えているというモデルで、今後のホンダの、EV生産のキーとなる一台と言ってもいい。
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