■10位 新型クラウンのドライブスタートコントロール
トヨタの開発チームによれば、Rレンジに入れた状態で暴走した場合、慌ててDレンジにシフト。今度は前に暴走するケースが少なくなかったという。そこでRレンジから急激にDレンジにセレクトされたことを検出したなら、アクセル全開状態でもパワーコントロールすることにより徐行状態をキープする機能を考えたそうだ。何のセンサーも必要としないのでコストアップ要因なし! ソフトだけである。すばらしいアイデアだと思う。1件でも事故を未然に防ぎたい、という技術者の熱意の表われです。
●ここまでやるか度指数=73
■11位 日産のシンクロレブコントロール
MT車でヒール&トゥを行なうのは、エンジンの回転数を合わせ、シフトダウン時の唐突なエンブレを防ぐためである。だったら空吹かしだけクルマでやってあげましょうか、というのがこの技術。初めて乗った時は驚いた! 見事に回転数を合わせてくれるのだった。考えてみればF1は1990年代からこの機能(ブリッパーと呼ぶ)を組み込んでいましたね。マジで自分のラリーカーにも付けたいと思ったほど。ただヒール&トゥのテクニックを磨けないというのは少し寂しいかもしれません。
●ここまでやるか度指数=71
■12位 ジヤトコ製 副変速機付きCVT
マーチ、ジューク、ノート、スイフト、ソリオ、ワゴンR、ミラージュなど幅広く採用されているジヤトコ製副変速機付きCVT。基本的にCVTは変速幅が広いという特徴を持っていた。しかし多段ATが6速とか7速の時代になってくると、CVTもさらなるワイドレンジ(1速を低くしたまま、巡航時の回転数を下げる、ということ)にしたいというリクエストを受けるようになる。ただ単純に金属ベルトの移動量を増やすこともできない。そこで副変速機を組み合わせることにした次第。LoギアからHiギアへの切り替え時に小さい音を出す車種もあるけれど、燃費と走行性能の両立が可能になったという点ですばらしい。アルトエコの33.0km/Lという燃費は、このCVTのおかげです。
●ここまでやるか度指数=70
■13位 マツダのエネルギー回生システム、i-ELOOP
スズキのエネチャージと狙いは同じ。ただ電気ためるのに電池でなくキャパシタ(コンデンサー)を使う。コンデンサーは電池と比べものにならない速さで電気をためられ、比べものにならない速さで放出できるという特徴持つ。マツダに聞いてみたら「アテンザ級のクルマの消費電力を考えるとエネチャージのような小型電池では性能的に厳しいです」。ただ機能に決定的な差はないと思う。今後、リチウム電池とキャパシタの性能向上競争になるだろう。
●ここまでやるか度指数=68
■14位 レンジローバーイヴォークの9速AT
多段ATのギアはついに9速時代を迎えた。こう書くと「CVTのほうがいいのでは?」みたいに思う人もいるかもしれないけれど、それは間違い。CVTでレンジローバーくらいのトルクを伝達しようとすると、ベルトを引っ張るためのエネルギーとパワーロスがハンパない! やはり多段ATしかないのだった。段飛ばしでの減速を可能にするスキップシフト機能、コーナリング中のシフトアップを抑える「カーブモード」、シフトダウンを速度が一定レベルに落ちるまで抑制する「ファストオフ」モードなど凄い内容。
●ここまでやるか度指数=65
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