ロッキー/ライズはトヨタが開発へ! [ダイハツ認証不正問題]これからの事業方針と再発防止の内容

ロッキー/ライズはトヨタが開発へ! [ダイハツ認証不正問題]これからの事業方針と再発防止の内容

 2024年4月8日、ダイハツ工業は都内で会見を開き、井上雅宏社長、星加宏昌副社長、桑田正規副社長出席のもと、2023年12月に公表した認証不正試験問題について謝罪。そこで発表された再発防止と今後の事業方針の内容とは!?

※本稿は2024年4月のものです
文/ベストカー編集部、写真/DAIHATSU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年5月26日号

■トヨタ監督下で国内小型車の開発は続行

都内で開かれたダイハツ工業の会見。井上雅宏社長、星加宏昌副社長、桑田正規副社長の三者が顔を揃えた
都内で開かれたダイハツ工業の会見。井上雅宏社長、星加宏昌副社長、桑田正規副社長の三者が顔を揃えた

 「毎日届くダイハツユーザーの皆さまからのお叱りにすべて目を通しました。また同時に届く、温かいお言葉に、ダイハツ再建を誓いました」

 「もう一度、ダイハツがあってよかったと言っていただけるような会社にすべく全力を尽くします」

 2024年3月からダイハツ工業の代表取締役社長に着任した井上雅宏氏(前トヨタ自動車南米本部長)は、確認体制の抜本的な改革により再発防止を誓うとともに、今後のダイハツの方向性を語った。

 不正問題発覚当初、「ダイハツの事業範囲見直し」が語られたことから、「国内に関してダイハツは軽自動車専門メーカーになるのか」という噂も流れたが、今回発表された再建方針によると、今後もダイハツは(軽自動車だけでなく)小型登録車の開発も続ける。

 ただし小型車に関しては、開発から認証までトヨタが責任をもって確認し、ダイハツへ委託するというかたちをとることになった(軽自動車に関しては従来どおり)。

 会見と同時に発表された公式リリースは以下のとおり。

 「ダイハツのリソーセス・知見に限界があり、再発防止を徹底する観点から、小型車は、トヨタが開発から認証までの責任を持ち、ダイハツがその委託を受け、実際の開発を担う形態へ、今後の切り替えモデルから順次変更いたします」

 ダイハツが開発を担った国内小型車というと、国内ではトール/ルーミー、ロッキー/ライズ、ブーン/パッソ(現在は生産終了)がある。また新興国向けにヤリスエイティブ、プロドゥアアジア、トヨタ アギアなども担当。

 これらの開発、認証について「トヨタが責任を持つ」というかたちになる。

■現場から「いい加減にしろ」と叱られることも

2023年12月20日に認証不正問題が発覚後、すぐに国内4工場すべてが生産と出荷を停止した
2023年12月20日に認証不正問題が発覚後、すぐに国内4工場すべてが生産と出荷を停止した

 発表リリースによれば、これまでトヨタとダイハツの橋渡しの役割を担っていた新興国小型車カンパニー(ECC)は解消し、2024年5月から「開発から認証までの機能」のレポートラインを、トヨタの「Toyota Compact Car Company」へ変更。

 事業・商品計画に関わるリソーセス管理・適正化についても、トヨタが責任を持つ体制に変更するとのこと。

 さらに「将来的に」と留保をつけつつ「軽自動車のBEVにもチャレンジしたい」との言葉もあった。

 井上社長によると、現場を回った際、出荷停止に関して「いいかげんにしろ、いつまで待たせるんだ、お客様に返す言葉がないんだぞと言われた」とのエピソードも語られた。

 認証不正問題発覚以降、何度も「原因は?」と問われたダイハツ首脳陣は、「アンドンが引ける(危機的状況の際に緊急停止ボタンを押せる)体制が出来ていなかった」と語った。再建案では経営陣が開発や認証現場に寄り添い、一緒に汗を流すことを誓ったという。

 さらにダイハツの開発リソースの管理や確認も節目節目でトヨタが確認し、適正化に責任を持つ。ダイハツはここ10年、新興国向けを中心に販売車種を増やしており、認証業務の案件が7~8倍に膨れ上がっていたが、人員を増加していなかったとのこと。今後そうしたことがないようトヨタが確認し責任を負う。

 質疑応答で記者からこれまでトヨタは開発や認証の確認はしてこなかったのか、という質問があった。

 これに星加副社長が、「ダイハツはこれまで、我々がやらなくてはならない、我々だけで成し遂げなければならない、という使命感にかられていた。それで今回このような(認証不正)問題を起こしたこともあり、今後はグループ内で助け合いながら、いろんな目で確認できるような体制にしてまいりたいです」と回答。

 日本自動車界を揺るがし、国内全工場生産・出荷停止という事態を招いたダイハツの認証不正問題。この新体制への転換で復活できるのか。百年に一度の自動車変革期に、日本自動車産業を支える一角として、再建と活躍を期待します。

次ページは : ■「トヨタが責任」の意味

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