■初代MIRAIが狙い目だと言われるワケ
初代MIRAIがなぜ狙い目と言われるのか? 実はこの価格で買えるのはバーゲンセールなんですよ!
●何より中古での価格が安すぎる!
最大のおすすめポイントが中古車相場。年式やコンディションを考えたら激安と評していいくらいだ。150万円も出せば新車のニオイすらするMIRAIを探すことだって可能。完全な買い手市場なので、値引き交渉すらできる。安い投資でいいクルマに乗れます。
●最先端技術を格安で体感できる!
何と言っても使われている技術はいまだ世界最先端。現時点で購入できる燃料電池車は新旧のMIRAIとヒョンデのネッソしかない。乗ればわかるとおり、パワーユニットについちゃ文句なし! ワイパーの音まで気遣っている。
現行MIRAIにも言えることながらトヨタ車の中ではセンチュリーの次に乗り心地がいい。乗り心地フェチの私ですらノーマルのまんま乗れるほど。
●ハンドリングはピカイチ! 実はラリーだって走れる!
ハンドリングのバランスまで考えたら日本一バランスがよい足回りと言っていいレベル。私なんかノーマル状態でWRCドイツの先行車として全開で走りましたよ。けっこう速いクルマです。
最高速は実測で180km/hに達するため高速道路の追い越し車線巡航だって余裕。絶対的な性能は充分高い。0-100km/h加速もなかなか。加えてアクセルレスポンスよく、車重から予想する性能を大きく凌ぐ。
コーナリングも前後の重量配分よく低重心だから優れてます。サスペンションとタイヤを変えてやれば、ラリーでの実力はヤリスと86の中間くらいだった。なんたって全日本ラリーでクラス2位を獲得。観客から「速いね~!」と驚かれた。
これほど静かで滑らかなクルマは電気自動車以外ありえないレベル。スタートからアクセル全開まで、終始ジェントル。昔から優れたエンジンを「電気モーターのように」と表するけれど、本物のモーターです(笑)。
(TEXT/国沢光宏)
■初代MIRAIの中古は……ズバリここがネックになる
クオリティが高いクルマが中古で100万円なら狙うしかない! けどちょっと待ってほしい。そこには思わぬ落とし穴が……。
●水素ステーションが少なすぎる……
最大の弱点が水素ステーションの少なさであります。どうやら国はホンキで水素自動車を普及する気持ちを持っていないらしく、発売以来10年近く経つのに、増えないどころか減って行く方向。近所に水素ステーションなければ買っても乗れないため意味なし。
水素ステーションの稼働状況も安定しない。私は新型MIRAIに乗っているのだけれど、水素ステーションに行く前に「営業してますか?」と電話しなければダメ。なぜかといえば臨時休業が多いからだ。外出先で水素を入れるロングドライブなど、もはや修行でしかない。
●水素自体の値段も高くなりつつある
ここにきて水素価格が激しく高騰している。当初1kgあたり1210円だった(満タンで約3kg入る)。この価格、ガソリン車だと17km/Lくらいの燃料コストになる。なのに今やエネオスは2200円。イワタニも6月から1650円に値上げする。
結果、燃料コストは純内燃機関の2L並みです。旧型MIRAIは満充填あたりの航続距離が短い。安心して走れるのは350kmくらいまで。冬場にエアコン使うと20~30%短くなってしまう。水素ステーション事情が悪いこともあり、半分くらいになったら片道50kmの移動すら不安になっちゃいます。
●リセールバリューはほぼ期待値ゼロです
リセールバリューは「ほぼ」期待できないと覚悟すべき。たとえ2019年モデルあたりを買って5年乗れば、10年落ちのクルマになってしまう。その時点で水素ステーションは今より減っている可能性が高い。
水素ステーションや水素の取り扱いについての規制は民間企業の参入が事実上不可能なほど厳しいまんま。このままではMIRAIに乗りたい人はいない?
(TEXT/国沢光宏)
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