事故の瞬間とその前後の自動車の状況を記録できるイベントデータレコーダー(EDR)。2022年7月以降発売の乗用車には搭載が義務付けられているが、大型車にも搭載を義務付けることとなった。大型車事故の真相究明に役立つ朗報だ。
※本稿は2024年4月のものです
文:角田伸幸/写真:AdobeStock(トップ画像=lesterman@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2024年5月26日号
■イベントデータレコーダー(EDR)が事故を解決へと導く
「イベントデータレコーダー(EDR)」という車載装置をご存じだろうか。車両に張り巡らされたセンサーを通じて、車速やエンジン回転数、アクセルやブレーキの踏み具合などを常時監視し、万一事故に遭った際に、その瞬間の状況を記録・出力する装置だ。
このEDR、乗用車については2022年7月以降の新車に搭載が義務付けられていたのだが、定員10人以上のバスや、総重量3.5トン以上のトラックは規制外だった。
2024年3月末、国土交通省がこうした大型車についても、2026年12月以降に登場する新車からEDRの搭載を義務付けることを決めた。大型車の事故は深刻なものになりがちだから、真相究明にEDRを活用することは賢明だろう。
EDRは2019年に起きた東京・池袋の乗用車暴走事故の裁判にも使われ、被告に実刑判決が下される有力な状況証拠ともなった。独ボッシュなどはEDRのデータを分析する人材の育成にも注力している。
交通事故ではとかく当事者が争いがち。EDRがスムーズな解決に役立つことを願いたい。
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