ニッケル水素を売り続けるワケ
まず、なぜ新型プリウスで本格的にリチウムイオンバッテリーを採用したか? だが、これはWECマシン同様、市販車においても「念には念を入れ」の信頼性が確保できたからだろう。
にも関わらず、ニッケル水素グレードを設定している理由は、
- ①ニッケル水素バッテリーの蓄電効率が向上しているため
- ②製造ラインの問題
- ③リコール対応のリスク
- ④ニッケル水素を取り巻く産業的な問題
この4つだろう。
ではこの先トヨタは、どんなバッテリー戦略を採っていくのだろうか? トヨタの姿勢をみていると、ニッケル水素バッテリーの採用車をなくしていくという可能性は、短期的に見ればかなり低いだろう。
ただ、いっぽうで、これだけ台数の出る基幹車種のプリウスにリチウムイオンバッテリーを採用したということは、今後、他の車種にも展開していく可能性は充分ある。
とすれば、考えられるのは、車種による棲み分け。比較的上級のHVにはリチウムイオンバッテリーを使い、ベーシックな大衆車にはニッケル水素で対応するなどの戦略だ。
まとめ
新型プリウスがリチウムイオンバッテリー搭載に踏み切ったのは、膨大な台数が見込まれるプリウスでも信頼性の問題を十二分に担保できると確信したから。それでもニッケル水素を残すのは、ニッケル水素自体にもまだ進化の余地があり、製造ラインやコスト的なメリットがあるからだろう。
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