R32スカイライン以来20年以上も存在しなかった4気筒エンジン。2014年に復活したものの、日産のエンジンではなくまさかのダイムラー製。4気筒復活は素直に嬉しいニュースだったけど、これじゃない感も……一体このモヤモヤはなに!?!?!?
文:小鮒康一/写真:日産
■初代スカイラインは4気筒エンジンで始まった
最近はやや元気がないものの、日産を代表する車種のひとつであることは間違いないスカイライン。現在もセダン不人気の中、日産唯一のセダンとして踏ん張っており、欧州のスポーツセダンに肩を並べるポテンシャルを秘めた「400R」や「NISMO」も存在感を放っている。
そんなスカイラインのアイデンティティとしては6気筒エンジンや丸型4灯のテールランプにGT-Rなど、さまざまな要素が存在しているが、実はあまり知られていないアイデンティティが存在する。それが“4気筒エンジン”だ。
スカイラインの車名が登場したのは1957年のことで、プリンス自動車の前身である富士精密工業から販売された。搭載されていたエンジンは1484ccの排気量を持つ直列4気筒エンジンで、最高出力は60PSとなっていた。
現在の水準からすれば小排気量に思えるかもしれないが、当時は1.5Lを超えると5ナンバー枠を超えてしまうこともあり、当時としてはフルサイズの排気量ということになる。
その後、規格が改められて1900ccのエンジンを搭載する「スカイライン1900」が登場するが、こちらも4気筒であることは変わりなかった。
■GTの名を冠したスカイライン
そして2代目にフルモデルチェンジを果たしたスカイラインは、1964年5月にGTの名を冠し、6気筒エンジンを搭載したモデルをリリース。
ここからスカイライン=6気筒というイメージがスタートするワケだが、4気筒エンジンは常にラインナップされ続け、8代目となるR32型までずっと存在し続けたのである。
その後、R33型からV36型までは直列からV型へと形状は変更しながらも6気筒エンジンのみのラインナップとなっていたスカイライン。
しかし2014年2月に登場したV37型は先にV6エンジン+モーターのハイブリッドが登場し、追って5月にガソリンモデルがリリースされたのだが、このガソリンモデルに久々の4気筒エンジンが採用されていたのだ。
■スペックは上々だったがあまり歓迎されなかった
この4気筒エンジンは1991ccの排気量を持ち、ターボで過給するいわゆるダウンサイジングターボとなっており、211PS/350N・mとスペック的には上々のもの。
しかしこのエンジンは日産製ではなくダイムラー製のものを供給を受けて搭載しており、同じくダイムラー製のトランスミッションとの組み合わせとなっていたことで、往年のスカイラインファンにはあまり歓迎されなかったのも事実。
結局2019年7月に実施されたマイナーチェンジのタイミングで、日産製のV6 3Lツインターボエンジンと入れ替わる形で廃止となってしまったのだが、再び日産製の4気筒エンジンがスカイラインに搭載される日はくるのだろうか?
【画像ギャラリー】インフィニティバッジを付けたV37スカイライン 内装のスペシャリティー感えぐない?(22枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方