e-POWERのおかげ? 5ナンバーだから? 日産[ノート]は安いガソリンモデルがないのになんで絶好調なのか?

■国内市場に適した5ナンバー車が減少した背景

2008年11月に登場した3代目キューブ。惜しまれつつ2020年3月に販売終了
2008年11月に登場した3代目キューブ。惜しまれつつ2020年3月に販売終了

 ただしこの背景には、日産が抱える切実な事情もある。上質なコンパクトカーとして人気車だったティーダ、高い天井によってコンパクトカーながら開放感を伴ったキューブ、コンパクトワゴンのウイングロードなど、国内市場に適した5ナンバー車の大半が廃止されたことだ。

 軽自動車を除いた5ナンバーサイズの乗用車はノートに限られる。合理化のために車種数を絞り、限られた商品で国内市場を支えなければならない。

 そしてノート&ノートオーラは、e-POWER専用車ながらもワイドなバリエーション展開で成功したが、SUVのエクストレイルとキックスは苦戦する。e-POWER専用車にしたことで、価格帯が高まったからだ。

 結局のところ日産で堅調に売られている車種は、ノート&ノートオーラ、ノーマルガソリンエンジンも選べるミニバンのセレナ、軽自動車のルークスとデイズだけだ。エクストレイル、キックス、アリアなどは、設計の新しい車種ながら伸び悩む。

マイナーチェンジしたノート
マイナーチェンジしたノート

 そのために今でも日産の国内メーカー販売ランキング順位は、スズキやホンダを下まわって4位だ(ダイハツが認証不正問題で出荷を停止する前は5位だった)。

 トヨタの販売店からは「日産は人気車が少ないのに、あれだけの台数を売るのだから販売力は強い」という話が聞かれる。つまり日本で好調に販売できる商品を増やせば、日産はさらに売れ行きを伸ばせるのだ。

 だからといって、シエンタやフリードのようなコンパクトミニバン、キューブの後継になる空間効率の優れたコンパクトカーを開発するのは、現実的には困難だろう。

 それならセレナやルークスにSUV風の仕様を加えたり、エクストレイルにエアロパーツを装着するハイウェイスターを設定するなど、ノート&ノートオーラの手法を活用して選択肢を増やすべきだ。

 エクストレイルは、圧縮比を変化させる画期的な1.5Lターボをe-POWERの発電用に使うが、これを駆動用エンジンとして、エクストレイルやセレナに搭載する方法もある。

 2011年から数年間の日産は、国内市場を見限り、新型車の投入が2年間に1車種程度の時期もあった。今はそれを脱して、新型車も増えている。もうひと頑張りすれば、往年の日産が帰ってくると思う。

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