高性能を象徴するエクステリアデザインと言えば大きなリアウイングだ。ダウンフォースを得るというモータースポーツ由来の技術は、高い性能の証とも言える。スポーツモデルでもウイングを装着しているモデルは多いが、「これ純正!?」と驚かされるほど大型のものを装着するクルマもある。今回はそんな大きな純正リアウイングを日本車からピックアップして紹介していく。
文:西川 昇吾/写真:ベストカーWeb編集部
■今や世界中で大人気! みんなの憧れスープラ80
1990年代、日本のスポーツカーは高性能化が著しくリアウイングを装着するモデルも多かった。その中で衝撃的なリアウイングを純正で装着していたのが1993年に登場した2代目(国内)スープラであった。
このリアウイングは当時全グレードにオプション設定されていた。ただ、カタログ写真にもこのリアウイングを装着した車両が多く採用されており、印象的であった。
ダウンフォースの確保はもちろんのこと、後方視界にも配慮しておりそのような兼ね合いから、この特徴的なリアウイングが誕生した。
大型のアーチ形状のリアウイングは当時のチューニングでもトレンドとなっていたが、それはこのスープラのリアウイングから始まったのかもしれない。
■ラリー界には敵なしだった!? インプレッサWRX STI
大きな純正リアウイングで忘れてはいけない存在がインプレッサWRX STIなどのリアウイングだ。
現行のS4でもオプションで大型のリアウイングが設定されているが、その始まりは1994年のインプレッサWRX STIバージョンにあったと言える。このモデルはSTI初のコンプリートモデルとなった。
このモデルは月産100台の受注生産車として販売され、リアには大型のリアウイングが装着されていた。しかし、翌1995年に登場したWRX STIバージョンIIではやや大人しいリアウイングとなった。
バージョンⅢではカタログモデルとなるが、1998年登場のバージョンVで大型のリアウイングに。ここから今日のS4のオプションリアウイングまで、WRXを象徴するアイテムとなった。
■旋回性能で右に出るものなし! VTECマシンS2000 TYPE S
1999年から販売されていたS2000。その集大成とも言える改良が2007年に行われた。この時追加されたグレードがTYPE Sであった。
空力性能とステアリング操作の応答性を追求したTYPE Sは専用のサスペンションチューンが施され、専用のエアロパーツを身にまとっていたが、この専用のリアウイングが驚かされるものであった。
アフターのチューニングパーツで販売されていそうなGTウイングを思わせる形状で、立体形状のその見た目はいかにも「効きそう」な雰囲気を放っていた。
この形状はオープン、クローズどちらの場合でも乱流を整えるためという理由もある。
■追いつくことは不可能….. 文字通りのスーパーカーGT-R NISMO
日本が世界に誇るスポーツモデルと言えば2007年に登場したGT-Rだ。今でも現行車種であり、その魅力は衰えていない。
登場当初の標準車はあまり大型ではないリアウイングを装着していたが、2013年に発表された「NISMO」はGTマシンを彷彿とさせる大型のリアウイングを装着していた。
風洞実験やシミュレーションを駆使して開発されたNISMOの空力は、この大型リアウイングも相まって300㎞/hでプラス100㎏のダウンフォースを獲得している。
以降もNISMOは進化し続けるが、この大型のリアウイングは健在。その高性能をしっかりとアピールする存在でもある。
一時期に比べたらスポーツモデルでも、大型のリアウイングを装着するモデルは減ったが、やはりスポーツモデルには欲しい「分かりやすい」装備でもある。今後派手な大型のリアウイングが純正で登場するかにも期待したい。
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