ユーザーの嗜好変化が10年後に「HV主体」を変える?
ことに都市部では、カーシェアリングやレンタカーを利用した方が支払料金に対する対価として、車を利用することにおいてははるかに合理的だ。
タクシーを頻繁に使っても、車を所有するより安上がりとの試算もある。所有から利用へ、車の価値は大きく変わりはじめている。
そうした20~30代の人たちが、10年後には30~40代となり、社会の中核をなす世代となる。企業で働く場合においても、先行きを判断し、商品を企画開発する最前線に立つことになるだろう。
そのときの商品企画は、現在とは様変わりすると私は見ている。10年後もなお、ハイブリッドにこだわる理由を、彼らはどこに見るだろうか。
車の共同利用の点において、現在はなおEVの車両価格が高止まりの状況にあるが、運用の面では、ガソリン価格に比べ電気代は半分以下という経済性がある。
また、モーターはエンジンに比べ壊れにくく、ブレーキの消耗も少なく、保守管理における経費も削減できる。
カーシェアリングの現場では、移動手段としてだけでなく、ひと時の休憩や、営業などで動いた仕事の整理や報告書の作成を車の中で行う使われ方が起こりはじめている。
その場合、エンジン車やHVでエンジンが始動してしまうより、コンセントにつないだEVで静かに、エアコンを利かせながら、快適に休憩できたり仕事の整理ができたりする方が理にかなっている。
企業にとっても、営業車を所有するより経費は安く済むはずだ。なおかつ、ラッシュアワーの通勤をなくし、最寄りのカーシェアリングでの直行直帰も可能になる。
地方においては、ガソリンスタンドの減少に対し、EVなら自宅や仕事先で普通充電できるので、急速充電器の普及が進まなくても日常の用は足せるはずだ。
10年後の世代交代と、実はまだよく知られていないEVの活用法を組み合わせれば、ハイブリッド全盛時代は、間もなく終焉を迎える可能性は高いと思う。それが、環境を保持し、快適に生きられる未来を創ることにもなる。
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