700万もすんの!? デビュー時は心配されたけど今や超絶高騰中のシグネットがスゴい

■新車販売は苦戦したが現在はプレミア価格に

外装以上にアストンマーティンらしさが詰まったインテリア。デザインは同時代の販売されていた主力のDB9をモチーフにしていた。
外装以上にアストンマーティンらしさが詰まったインテリア。デザインは同時代の販売されていた主力のDB9をモチーフにしていた。

 しかし、この野心的な試みは市場では苦戦を強いられた。

 シグネットは年間4000台という販売目標に対し、2013年の販売終了までにわずか合計150台程度しか売れなかった。iQと比較して格段に高額になってしまった価格設定が、たとえ裕福な顧客層にとっても障壁となったようだ。

 シグネットが現行モデルだった頃、ごく稀に見かけた中古車は新車時価格よりは安く流通したものの値落ちは緩やかだった。人気の有無ではなく、希少価値が昔から認められていたのかもしれない。

 そして絶版となってから11年、皮肉なことに現在ではシグネットは世界的に「希少車」として新車時価格以上のプレミアム価格で取引されている。(2024年8月現在、中古車サイトを見ると2台のみではあるが700万円以上で取引中)

 失敗作と思われたモデルが、いつしか“コレクターズアイテム”へと昇華する中古車市場での不思議な現象をシグネットは体現しているのだろう。

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