2024年8月1日、ホンダと日産、三菱は、主要な領域において協業することを発表、なんと「車両の相互補完」を行うことも表明した。発表によると、この車両の相互補完は、ガソリン車やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車も検討の範疇だということで、既販車も相互補完の対象となる可能性がある。
いつから、どの車種が、どのように相互補完されるのかと考えると、ワクワクが止まらない。筆者が思う、日産に欲しいホンダ車と、ホンダに欲しい日産車を挙げてみた。
文:吉川賢一/写真:NISSAN、HONDA
日産に欲しいのは、フリードとヴェゼル!!
2023年4月~2024年3月の国内販売台数は、日産が約48万台(軽は約19万台)、ホンダが約61万台(軽は約30万台)。販売台数では、ホンダのほうが13万台ほど上回っているが、内訳をみると、ホンダは軽自動車の比率が約半数と高く、登録車で比べると2社とも30万台と同規模だ。同期間で約167万台を販売するトヨタと比べると、販売網やラインアップはどうしても見劣りしてしまっている。
両社とも、クルマづくりに対する自信やプライドなど、いろいろな思いがあるだろうが、そこをいったん置いとくとするならば、まず日産には、3列シートコンパクトの「フリード」が欲しい。3列シートかつ両側スライドドアの使い勝手の良さやちょうどよいボディサイズ感、広い車内、さらには低燃費などの魅力によって、常に国内登録台数ランキングの上位にランクインをしているフリード。2024年6月にはフルモデルチェンジをはたし、今作も人気となっている。「出せば売れる」と分かっているはずなのに、日産は国内専売モデルをつくのが厳しいのか、一向に出そうとしない。子育て世代から高齢世帯にも受けるフリードは、いま日産がもっともほしいクルマのひとつであるはずだ。
もうひとつ、こちらもホンダの人気モデル「ヴェゼル」もほしい。走行性能や燃費が優秀で、優れた先進運転支援を標準装備しており、内外装の質感も高い。若い人から年配者まで広く支持されており、比較的価格が安いこともポイントだ(ガソリン4WDは税込264万円、e:HEV FFは税込288万円~)。
日産にも「キックス」があるが、キックスは海外生産車であるため、最安FFモデルであっても税込308万円と、コンパクトカーの中では価格が高めだ。しかもプロパイロットは。為替の影響もうける。その点ヴェゼルは国内生産(ホンダ鈴鹿製作所で製造)であり、コスト的に有利。売れ筋のキックスを国内生産に移行できないのであれば、ヴェゼルをOEMしてもらうか、もしくは国内の工場のラインを分けてもらうことができればいいと思う。
ホンダに欲しいのは、キャラバンとGT-R
そしてホンダには、日産の商用車「キャラバン」がほしい。広く使い勝手のいい荷室空間と、存在感のあるエクステリアが魅力のキャラバンは、トヨタハイエースと共に「はたらくクルマ」として国内外で大活躍している。昨今は、レジャーや趣味を楽しむユーザーからも支持されており、2024年7月31日には、キャラバンの荷室部分に自宅の部屋のようなインテリアを取り入れた「キャラバンMYROOM」(税込551万円~)を発表するなど、日産も力を入れている。ホンダには、この手の商用バンは軽自動車の「N-VAN」しかない。キャラバンがホンダにあれば、ホンダ党にとって大変うれしいことになるはずだ。
そしてやはり、日産のスーパースポーツカー「GT-R」もほしい一台だ。正確には、GT-Rのプラットフォームやパワートレーンの共有で、3代目となる新型NSXを開発してほしい。現在のホンダのフラグシップはシビックタイプRということになっているが、モータースポーツのイメージが強いホンダには、ぜひともスーパースポーツのフラグシップを掲げてほしいのだ。ホンダと日産は両社とも、栃木県内に実験部隊とテストコースを持っている。相互で乗り合わせ、日本のスーパースポーツの未来を考えてみてはいかがだろうか。
コメント
コメントの使い方GTRの後継エンジン&アテーサにNSXのモーター技術が組み合わさったMRが作れる!無敵のスーパーカーだ!と、提携当初は燃え上がりましたよね
実態はどちらもバッテリーとモーターばかりに傾倒してしまって、どちらにも必要なモーター電子制御技術を共同財産化していくための協業でした・・・
記事にあるようにドル箱の共有もしていくでしょうけど、市販車分け合っても燃えない・・・スポーツカーで協業を