■やっぱり走行性能が肝心っしょ!!
問題はハンドリングである。シルビアは大パワーを吸収し、しかもよい乗り心地を得るべく新たにマルチリンクサスペンションを開発した。上級車にはハイキャスも与えた。
まず、後輪駆動車のハンドリングのよさはエンジンの回転の変動になんらの影響もないことである。このことこそ多くの高級車が後輪駆動を採る理由なのだ。
ストレートの安定はハイキャスなしでも充分である。リアがしっかりしているので180km/h走行もリラックスしていられる。むろんレーンチェンジも楽なものだ。
ハイキャス付きのほうはややアンダースティアが強いが、後輪駆動にはじめて乗るというユーザーにはいいかもしれない。ハイキャス付きのほうは雨の濡れた路面などではたしかに安定していると思う。
しかし、あくまでこのほうはゆっくりとコーナーに進入し、曲がってからスロットルを踏んでやらなければいけない。ハイキャスなしのほうは、はるかにスポーティである。
前後のバランスはこのほうがいい。メーカーもスポーテイなのはハイキャスなしといっている。ドリフトをこよなく愛しているユーザーはこのハイキャスなしのほうを選ぶべきだと思う。
それにターボエンジンのレスポンスのよさは、この後輪駆動車のハンドリングを楽しくしているのだ。乗り心地はターボ系はけっこう硬い。ハーシュネスも強いほうである。
しかし、このこともこのクルマに関してはハンデとはならない。もともとスポーティなクルマなのだから。一見やわに見えるシートのサポートも充分で、私は日産のテストコースでしばし、お尻に神経を集中した。
おそらくはスカイラインや口―レルにも使われる可能性の高いマルチリンクは今のところそのポテンシャルの60%程度の開発発段階だろう。ニューシルビアは魅力的なクルマである。
後輪駆動であることだけでも心踊るというのに、このクルマは新しいリアサスペンションまでも用意したのだ。後輪駆動車も2L以上にはまだまだ数多く存在する。
しかし我々が望むのは小型、軽量のスポーツにこそなのだ。ニューシルビアに乗ってみると、この使い古されたレイアウトにもまだまだポテンシャルがあることを理解して大いに意を強くしたものである。
「後輪駆動車をマニュアルで乗る」こいつは15年前までは当たり前のことだったが、今はこいつが新しく、かっこいいことだと思わないか。
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