マジでピックアップトラック舐めてた…贅沢すぎる三菱[トライトン]!!

マジでピックアップトラック舐めてた…贅沢すぎる三菱[トライトン]!!

 2024年2月に登場した三菱 トライトン。思い切った大型サイズのボディを持つピックアップトラックだ。日本で乗るにはちょっと躊躇する大きさだが、その荷台いっぱいに詰まった夢が購入へのハードルを飛び越えさせる!? これを読み終える頃、あなたはきっとピックアップトラックの沼へと…..

※本稿は2024年8月のものです
文:テリー伊藤/写真:茂呂幸正、三菱
初出:『ベストカー』2024年9月10日号

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■夢を乗せて走る大型ピックアップ

2024年2月登場の三菱 トライトン。試乗後に感動のあまり荷台によじ登るテリーさん。「三菱よ、素晴らしいクルマをありがとう!!」
2024年2月登場の三菱 トライトン。試乗後に感動のあまり荷台によじ登るテリーさん。「三菱よ、素晴らしいクルマをありがとう!!」

 トライトンは最高のクルマだった! 試乗後、旧知の増岡浩さん(元パリダカ王者、三菱ラリーアート総監督)が開発に携わっていると聞いて思わず電話してしまった。

「素晴らしいクルマを作ってくれてありがとう!」と。増岡さんだけでなく、新型トライトンの関係者すべてに感謝したい。

 トライトンの魅力はたくさんあるが、まず乗り手を選ぶところがいい。買うことはできても乗りこなせるかどうかは別の話だ。

 ウエスタンブーツと同じで、デザインや存在感に憧れながらも実際はスニーカーを履いてしまう。トライトンも「かっこいいな」と思っていても、実際に購入するにはハードルが高い。

 クルマがお客さんを選んでいる。それがトライトンなのだ。

 しかし、そのハードルを乗り越えて愛車にすれば、間違いなく生活が変わるだろう。この荷台に何を乗せるか、それを考えるだけでも楽しくなってくるはずだ。

 コストコで欲しいものを山ほど買っても余裕で載せられるだろうし、季節ごとに旬の果物や野菜を買いに行くドライブも楽しそうだ。

 つまり、オープンカーと同じなのだ。オープンにして気持ちよくドライブできるのは年に数回かもしれないが、その数回があるのとないのとでは大違い。

 ピックアップトラックもそれらしい使い方ができるのはめったにないかもしれないが、それでも「できる」ということが大事で、それが贅沢というものなのである。

 さすがに増岡浩さんが鍛えただけあって、走りも素晴らしかった。エンジンは2.4Lディーゼルターボで余裕たっぷり。車高が高く、4WDも高性能なので、オフロードが得意なことは言うまでもない。

 山道を走っての秘湯巡りも楽しそうだと思ったが、秘湯に向かうにはボディが大きすぎるかもしれない。

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■シンプルで頑丈! 絶対壊れそうにない

今回の試乗車は上級グレードのGSR。黒のオーバーフェンダーはGSR専用だ
今回の試乗車は上級グレードのGSR。黒のオーバーフェンダーはGSR専用だ

 そう、トライトン唯一の弱点がボディの大きさなのだ。全長5360mm、全幅1930mm(GSR)というのは、日本では相当な大きさだ。最小回転半径も大きく、6.2mもあるという。

「俺が曲がり終わるまで待っていろ!」と周囲に睨みをきかせながらUターンするのもなかなか厳しい。

 気軽に乗れるクルマではないということだ。私自身、トライトンのかっこよさに惹かれながらもボディの大きさに二の足を踏んでしまう。

 自宅の近くは細い道が多く、苦労するだろうなという現実に引き戻されてしまうのだ。

 日本には軽トラックがあり、国内はもちろんアメリカでも独特の人気を獲得している。

 軽トラをピックアップトラックの一種だと捉えると、そこからトライトンやハイラックスまでの間を埋める、ちょうどいいサイズのクルマがないのだ。

 かつてはトヨタbBオープンデッキもあったし、ジムニーにもピックアップトラックがあった。ジムニーは現行型でもピックアップトラックをコンセプトカーで作って話題になっているのに市販化する気配もない。

 なんでもあるように見える日本車だが、「ジャストサイズのピックアップトラック」というカテゴリーだけはぽっかり穴が開いているのだ。日本にないということは世界にないということ。

 やるなら今だと思うのだが、どうだろう。そんなふうに意表をついたクルマでないと、なかなか話題にならないという現実もある。

 若者のクルマ離れというが、新しいカテゴリーで新しいデザインや雰囲気があるクルマなら飛びつくはず。トライトンも若者受けするクルマだと思うが、500万円を超える価格とこの大きさではハードルが高い。

 とはいえ、ないものねだりばかりしていてもしかたがない。トライトンが登場してくれたことに感謝しつつ、購入を考えている人には強くお薦めしたい。

 トライトンについていろいろと語ってきたが、最大の特徴はシンプルでクルマに乗っている感覚が凄く強いことだと思う。また、丈夫でいかにも壊れにくそうなのもいい。

 最近、そういうクルマは意外と少ないし、今後はさらに減っていくだろう。そういう意味でもトライトンは貴重な存在。買える人は絶対に買ったほうがいい。そう断言できる一台だった。

●三菱 トライトンGSR(540万1100円〈6AT〉)

三菱 トライトンGSR
三菱 トライトンGSR

 三菱のピックアップトラックとしては6代目になる新型トライトンは、エンジン、シャシーともに新開発で2024年2月に登場。全長5360×全幅1930×全高1815mm、ホイールベース3130mm、車重2140kg(GSR)。

 直4、2.4Lディーゼルターボは204ps/47.9kgmを発生し、WLTCモードは11.3km/L。GSRは540万1100円、GLSは498万800円。

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