■新興国向けのクルマを日本で販売し、しかもそれが主力車とは!
1970年代まではクルマを国内で生産して輸出していたが、貿易摩擦が問題になり、1980年代から北米などに工場を建設。1991年発売の初代アコードワゴンを北米製にするなど、「日本メーカーの輸入車」は古くから存在した。
これらは国内では脇役的な存在だが、2010年にタイ製となったマーチは違う。1982年の初代モデル以来、高い人気を得てきた日産の基幹車種だ。その後もミラージュ、ラテイオがタイ製に移行。内外装のつくりや趣味性が日本の好みに合わず、今の市場動向に合った小さなクルマだが販売は伸び悩む。(渡辺陽一郎)
●仰天度:90
■今の時代にMTが好調に売れた。アテンザは前代未聞
1980年代の中盤頃は、ATの比率は約50%だったが、その後に急増して今は乗用車全体の98%前後を占める。ところがアテンザでは、ディーゼルのXDに設定されるMTが注目され、発売直後の比率は全体の20%近くに達した。開発者も前代未聞の話だと驚いていた。
今は大半のユーザーがATを選ぶが、ごくかぎられたMTの需要は残っている。それなのに一部の高性能車を除くと、セダンのほぼ全車がMTを廃止したから、アテンザに需要が集まった。ツボを押さえれば、運転の楽しいクルマも堅実に売れる。(渡辺陽一郎)
●仰天度:95
■クラウンに4気筒エンジンが搭載されるとは
1970年代初頭までのクラウンには4気筒エンジンも設定されたが、その後の約40年間は6気筒とマジェスタの8気筒のみだった。
だから直列4気筒の2.5Lを用いたハイブリッドの設定は前代未聞だろう。
しかしユーザーに抵抗はなく、販売の約70%がハイブリッド。V6エンジン車と違って減税対象に入り、燃費性能も2倍以上だから出費を抑えられる。
運転感覚も負荷が増えた時を除けば4気筒を意識させない。メルセデスベンツやBMWにも4気筒ターボが増え、「高級車は多気筒エンジン」という認識は薄れたといえる。(渡辺陽一郎)
●仰天度:84
■「ジャパネット」でクルマが買える時代がくるなんて!
「ジャパネットたかた」、「ビックカメラ」がi-MiEVを取り扱って話題になった。ただし直接販売するのではなく、顧客を三菱の販売会社に紹介する方式。幅広い販売網を活用して順客を募る戦略だ。
いっぽう、「ヤマダ電気」は、関東三菱から車両の供給を受け、サブディーラーとして売る。販売会社が自社で届け出を行なった未使用の中古車も扱う。
自動車の流通は50年前と基本的に同じだが、家電製品は大型店で通販などで微変した。今後、自動車販売も大きく変わる可能性があり、先の事例はこの予兆だともいえるだろう。(渡辺陽一郎)
●仰天度:93
■自動車販売店なのに店内にクルマがないホンダスモールストア
「女性のお客様は、屋外を走るクルマは汚れたモノだと考えている。だから店内には車両を展示せず、屋外にかぎった」とセールスマンは言う。新たに展開を開始した「ホンダスモールストア」だ。ホンダの全車を扱うが、女性に人気の軽自動車やコンパクトカーに力を入れ、店内もカフェテリア風にしている。
確かにオシャレだが、店内に肝心のクルマがないのは前代未聞。しかし普通、展示車はどれも磨かれて「汚れたモノ」ではないだろう。「展示車がないと説明に戸惑ったり、屋外では雨天時に不都合が生じることもある」という。(渡辺陽一郎)
●仰天度:91
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