■ダイハツ・リーザスパイダー「オープンエアと爽快な走りを楽しめるスペシャルティ」
前出のアルトワークスやミニカダンガンがそうだったように、1980年代は軽自動車でもハイパワーが求められ、最新テクノロジーが投入された時代。そんななか、1986年にダイハツが送り出したのが軽スペシャルティのリーザだ。
全高を抑えた半円球形のフォルムはそれまでの軽自動車とは一線を画すもので、室内もゆとりのラウンドスペースを確保。新たな軽自動車のトレンドリーダーとして話題となったのだ。
そして、1991年にはオープンモデルのスパイダーを追加。クォーターピラーまで取り払ったフルオープンボディとし、ソフトトップを収納するためのスペースを確保するために2シーター化。基本的なデザインはクーペモデルと同じだが、見た目の爽快感は満点だ。
インテリアもオープン化に合わせてアップデートされ、バケットタイプのシートはプリセーム(人工皮革)表皮を採用。MOMO製のステアリングも投入している。
ちなみに、エンジンはSOHCターボのみ。軽自動車の新規格導入後に追加されたため660ccのEF-JL型で、最高出力は64psを発揮する。
また、ボディ強度や剛性を確保するために、各部に補強部材を追加。運動性能や安全性の確保にも余念がないのだ。
ターボエンジン搭載のオープンカーとはいえ、ワークスやダンガン、さらにはほぼ同時期に登場したカプチーノやビートとは大きくキャラクターが異なるリーザスパイダー。こんな遊び心のあるオシャレな軽自動車が再び登場してほしいものだ。
■ダイハツ・コペン「着せ替え可能ボディが斬新すぎる、希有な軽スポーツ」
現代の軽自動車は室内空間を追求したモデルが多く、ハイトワゴン系が主流。実用性重視のラインナップというわけだ。
しかし、2004年にデビューしたコペンは誰もが手軽に楽しめる本格オープンスポーツとしてヒットし、今でもファンに愛されている。
2014年に登場した現行モデルは、電動開閉式ルーフを備えるオープンボディを採用し、FFレイアウトにターボエンジン搭載という大枠は初代を踏襲。その一方で、3つの異なるキャラクターをラインナップして大きな話題を呼んだ。
最初にリリースされたのがコペン ローブ。力強いマスクやシャープなウエストラインが特徴で、スポーツカーとしての躍動感や流麗さを表現したという。
続いて発表されたのがコペン エクスプレイ。コンセプトを「タフ&アグレッシブ」とし、ダイナミックさを強調した外観とするとともに、室内にも斬新な意匠が取り入れられた。
そして、最後発となったのがコペン セロで、「親しみやすさと躍動感の融合」をコンセプトにした雫のような一体感のあるスタイリングを採用。インテリアも水平基調のインパネでスポーティさを強調した。
こうして3種のコペンが揃ったわけだが、最大の特徴は新骨格構造「D-Frame」と内外装着脱構造「DRESS-FORMATION」を採用したこと。これにより、樹脂製外板パーツや灯火類を交換することが可能となり、ユーザーが好みのデザインやカラーに着せ替えすることができるようになった。これは量産車では世界初の試みだ。
復活したアルトワークスやライバルのS660が生産終了になるなかで、10年以上も販売されている現行コペン。希有な存在として、まだまだ頑張ってほしいものだ。
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