クルマの乗り心地はシートで変わる?? シートの開発裏事情とは一体? 

日本車のシートは、どう評価される? 

 日本のように、制限速度が高くなく、短距離を移動がメインで、頻繁に乗り降りをするような使いぽうをする地域に合わせたシートがある。

 例えば、軽自動車に使われているような乗り降りを優先したシートや、キューブの様なベンチシートを、そのまま欧州に輸出していったら、まちがいなく現地で酷評されるだろう。ところ変われば品変わるなのである。

 ただし昨今は、新型車をグローバルで販売するため、どのメーカーも、世界中でそれなりに適した形状をしたワンスペック化をシートでも採用する傾向がある。

マツダ3の運転席
マツダ3の運転席

 よって、アメリカ車やドイツ車、イタリア車、フランス車、そして日本車も、おおむね良いシートの概念は似てきたように筆者は思う。例えば、クラウンやマツダ3、最近だと新型カローラのシートも良いシートだと思う。

アメリカ人と日本人の体格差はどうしているのか?

 ちなみに、世界中で販売されているクルマの場合、そもそも想定している基本体格が異なるという事情がある。

 グローバルで販売するクルマの場合、日本車メーカーであっても、米国人体格のAM50こと175cm78kgで設計するというワールドルールに従っていることが多い。

 逆に、日本国内にのみ販売する軽自動車やミニバンの場合だと、日本人体格のJM50こと165cm65kgに合わせている。

スカイライン(1982年)<br>現在(下の写真)のと比べるとかたちが異なるのがわかる。
スカイライン(1982年)
現在(下の写真)のと比べるとかたちが異なるのがわかる。
スカイライン(2019年)<br>
スカイライン(2019年)

 しかも、平均身長や体重などは年々変化をするため、その基準値は変わってくる。30年前のクルマのシートが、少し小さく見えるのは、こうした背景もあったりもするのだ。

まとめ

 いいシートと悪いシートの差は、シートにかけられる予算の影響もなくはないが、例えばシート形状であればウレタンの量でコストをかけずとも調節ができる。

 何より、自動車メーカーがきちんと設計コンセプトを持って、シート開発に取り組んでいるのかが、良いシートと悪いシートを分けるポイントなのだ。

 【画像ギャラリー】日本車のシートと歴史

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