好きなクルマに乗りたいけれど、維持費は高いし税金も厳しい。そうなると1円でも節約したい自動車保険。とはいえなにしろややこしい業界の話だけに、「知り合いの保険会社営業マンに任せっきりで、年に1度更新の時に話しておしまい」という人も多いのではないでしょうか。
そんな皆さまへ、自動車保険で最新得する話を4本、Q&A方式でお届けします。「自分は該当しない」と思っている人でも、ぜひ念のため目を通してみましょう。節約はこういうことをコツコツ積み重ねた先にあるものです。
文:西村有樹(自動車保険、税金に詳しいライター)
写真:Shutterstock.com
ベストカー2018年5月26日号「家族の相談室」より
Q.衝突軽減ブレーキ装着車は保険料が安くなるって本当? どれくらい?
A.本当です。約9%安くなります
2018年1月より、大手保険会社を中心に衝突軽減ブレーキ装着車の保険料割引がスタートしています。割引率は約9%。10万円の保険料なら約9000円の割引です。割引の名称は「AEB割引」「ASV割引」と、会社により異なります。
導入している会社は東京海上日動火災保険、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損保といった大手損保のほか、通販型はSBI損保、ソニー損保なども導入しています。今後はさらに増える可能性もあります。
割引の対象となるクルマは自家用普通乗用車、小型乗用車の場合、発売後3年以内の型式で自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)が搭載されている車両です。3年を経過したら割引が使えなくなるということではなく、3年後には型式別料率クラス(保険料の計算に用いる型式別の危険度を示した数値)に事故率などのデータが反映され、割引の名称がなくても自動的に自動ブレーキ搭載車は割引になります。
もし「自分のクルマには自動ブレーキが付いているんだけど、保険料の割引のことは聞いたことがないな」という方は、担当の保険営業マンに聞いてみましょう。
Q.話題の通販型保険会社を乗り換えたいがデメリットは?
A.保険料は安くなりますが、そのぶん手間は増えます
現在契約している保険会社より安い保険会社は、以下の条件に該当していれば見つかる可能性が高くなります。
◎「等級が10等級~20等級」
◎「運転する人が35歳以上」
◎「現在代理店型損保に加入し、通販型へ移る」
すべて該当しなくても、ひとつでも安くなる可能性はあります。特に現在「代理店型」であれば、「通販型」に移行することでまったくの同条件であっても保険料が安くなる可能性はあります。
保険料がいくら下がるかはケースバイケース。デメリットは次のことが考えられます。
▼「代理店の対面式でなくなる」
▼「保険や特約を自分で確認し、決定しなくてはいけない」
▼「サービス内容が違う」
これまで代理店にお任せだった人が通販型に移れば、見積もり時から自分で決めることの多さに戸惑うでしょう。これは保険金の請求でも同様で、自分で書類作成などが必要です。ただし、電話などで指示を受けることができます。
Q.ちょっとしたキズで自動車保険を使うのは損…って本当?
A.修理費が安いと損する可能性が高いです
自分のクルマを修理する場合、車両保険を使うことができます。しかし、高額な修理費ではないのに保険を使ってしまうと、次の年以降の保険料が上がってしまうので、結果的に損になる可能性が高いのです。
その理由は車両保険に設定している免責金額です。免責金額とは「1回目5万円/2回目10万円」といった設定が一般的です。この場合は1回目の事故では5万円、2回目以降は10万円を超えるまで保険金が支払われません。この免責金額は、保険料を安く抑えるメリットがあります。
保険は免責金額を超えてから使うのは当然ですが、7万円の修理費(免責を除き2万円の保険金)といった少額では注意です。保険を使うと翌年以降保険料が3年間上がってしまい、差し引きでマイナスになる可能性があるのです。
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