2013年8月3日、ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン 10thアニバーサリーエディションが発売となった! 自動車評論家 九島辰也が「オフロードのニュルブルクリンク」ルビコントレイル走破をレポート!(本稿は「ベストカー」2013年9月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:九島辰也
■「オフロードのニュルブルクリンク」ルビコントレイルをジープで走破!
アメリカは大都市を除けば大いなる田舎、である。北はカナダ国境から南はメキシコ国境まで山々は連なりその間を大河がぬう。
大都市とて、クルマで1時間も離れれば牧歌的なカントリー風景色が広がるからおもしろい。
なぜ、そんな話をするかというと、カリフォルニア州レイクタホ周辺の山々で行なわれたジープイベントに参加したから。場所はジープジャンボリーの開催場所としても知られるルビコントレイルである。
このルビコントレイルは、ジープの開発にも使われるオフロードコースだ。湖畔から山道に入るといくつものトレイルがある。
砂利道に砂地、それに岩場。そもそもはジープファンであるジャンボリーの創設者がここを走りキャンプしたことからすべてがはじまったという。
今回参加したのは、そこでラングラー・ルビコンの10周年モデルを試すというものだ。およそ15年前、同じイベントに参加したことがあるが、あの時は未知の領域にワクワクしたのを今でも覚えている。
そしてあの日を境に“ジープ熱”が発症し、帰国後即購入に至った。ワゴニア、YJ型ラングラー、TJ型ラングラーと乗り継いだ。
もちろん、その間に参加したジープイベントは数知れず。北米はもちろん、アフリカ大陸まで走り回った。
【画像ギャラリー】「オフロードのニュルブルクリンク」も難なくクリア! ジープ・ラングラー アンリミテッド ルビコン10周年特別仕様車の走破性に驚愕!(6枚)画像ギャラリー■岩場を難なくクリアする走破性に驚く
それはともかく、今回の主役、ジープ・ラングラー・ルビコン10thアニバーサリーエディションを紹介しよう。
このモデルはスタンダードのラングラーをベースにさらにオフロード性能を高めたものだ。
専用のバンパーとタイヤ&ホイールを取り付け、より深いアプローチ&ディパーチャーアングルを稼ぐ。簡単にいうとタイヤの前にモノをなくして直接タイヤが乗り越えたりできるようにしている。
搭載されているエンジンは284ps/35.4kgmを発生する3.6L V6。トランスミッションは5速ATだ。
日本仕様の価格は438万円、限定100台という稀少さだ。
また、ボタンひとつでデフロックできるのもこのクルマの特徴。一度押すとリアが、二度押すとフロントのデフがロックされる。
TJ時代はレバー式だったものがいまはボタンだ。さらに、こいつにはフロントのスイングアームをフリーにする装置が付いている。足をビヨ~ンと伸ばし、接地面を稼ぐ仕組みだ。
このルビコンで2日間走り回って印象的だったのは岩場での動き。アングルが深いことで道なき道をアタックできる。それに角度のあるダウンヒルでは強い個性を発揮した。
なんとローレンジのギア比は1:4。アクセルオフの状態で時速1~2kmで岩場を下りてくる。岩場を虫になったようにへばりつきながら動く感覚は実におもしろい。これこそほかの4WD車にはできない芸当だ。
試乗車はロングホイールベースのアンリミテッドだったので乗り心地もそれほど悪くなかった。FRPのトップを外してもエアコンが効いて快適だった。
夜はキャンプファイアをしながらテントで一泊。バーカウンターにグランドピアノまで揃っているのがアメリカ流。アウトドアでの楽しみ方をよく知ってらっしゃる。
でも、テントに食べ物を持ち込むことだけは厳しく注意された。夜の訪問者、グリズリー(ハイイログマ)だけはジープとて歯が立たない。そんな体験ができるのもこの地が大いなる田舎であり、大自然に囲まれているから。
ここを走ればジープが特別ではないことがおわかりいただけるだろう。
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