■気になる乗り心地をチェックする
コンパクトな低燃費車で注意したいのが乗り心地だ。足まわりに充分なコストを費やせず、転がり抵抗を抑える目的で、エコタイヤに高い空気圧を充填する。となれば乗り心地が粗くなりやすい。
試乗したアクシオハイブリッドは標準仕様だから、タイヤサイズは15インチの175/65R15。ダンロップ.エナセーブEC300を履いていた。指定空気圧は230kPa。
燃費重視とはいえ、極端に高い数値ではない。ちなみに1.3Lのノーマルエンジン車は、平成27年度燃費基準に合致させるため、14インチタイヤの指定空気圧を250kPaまで高めた。このような無理はしていない。
乗り心地はノーマルの1.5Lエンジンを積んだアクシオに近いが、ハイブリッドが若干快適な印象。それでも路面上の細かなデコボコを拾うが、セダンとしての許容範囲に収まる。
フィールダーの試乗車は、15インチアルミホイールとのセットオプションを装着して、タイヤサイズは185/60R15。銘柄はブリヂストンB250だった。指定空気圧はアクシオと同じ230kPaだが、乗り心地は硬めながら重厚感が増している。フィールダーのハイブリッドを選ぶ時は、このタイヤを装着するといい。
車両価格はアクシオのハイブリッドGが207.5万円で、フィールダーのハイブリッドGは216.5万円。アクシオはノーマルエンジン搭載の1.5Gに対して42.5万円の上乗せだ。減税額を差し引くと、実質37万円の差額になる。
そして1.5GのJC08モード燃費も20.0km/Lに達するので、実用燃費がJC08の85%、ガソリン価格が1L当たり155円として、37万円の実質価格差を埋めるには約10万kmを走らねばならない。
損得勘定だけで判断するとハイブリッドは割高だが、少しアクセルを踏み増した時の自然な速度の上昇など、走りの質が高まることも見逃せない。
遮音も入念で、セダンとワゴンにふさわしいハイブリッドに仕上げた。
メカニズムはアクアと同じでも、運転感覚や乗り心地には、例えるならばヴィッツとカローラの関係に相当する違いがある。
特にアクシオは現行型になって1.8Lエンジンを廃止した。ハイブリッドはこれに代わる上級仕様という見方もできる。
ジーンズ感覚で運転できる気安さを備えながら、ジャケットも似合いそうだ(渡辺はどうかは読者の判断におまかせします)。
■ハイブリッド好調です
カローラアクシオハイブリッド&カローラフィールダーハイブリッドを販売するカローラ店はお盆休みにも精力的な販売活動をしていたが、どの店舗でも予想以上に好評のようだ。
カローラ店はアクアも販売するが、「アクアに比べるとアクシオは質感が高いし、フィールダーの広さはお客さんにインパクトがあるようです」とすでに2台契約を決めたという都内のディーラーマンが話してくれた。
今後どれくらい販売台数を伸ばしてくるか楽しみだ。
【画像ギャラリー】JC08モード燃費33.0km/L 伝家の宝刀ハイブリッドを試す 今も現役のカローラハイブリッド試乗(16枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方10年経った今でも、唯一ホンダを除けば全社が、空力の良いアクアやプリウスはおろか、
空力や軽量化で不利な5ナンずんぐりセダンなこのカローラの燃費に追い付く事さえできていない。
当時はマツダやスズキに期待していた記憶があります。でもそれは燃費計測方法の違いやカタログ乖離で近付いたと錯覚させられていた形。当時も指摘がありましたが見ない振りしてしまってたなぁ