車名も新たに質感アップ!? マツダを代表するコンパクトカー、デミオが2019年7月18日のマイナーチェンジを機に、世界共通名の「マツダ2」へと車名を変更。
このタイミングで、走りや質感を向上させる改良をおこなったほか、外観でもフロントグリルやヘッドランプ形状が一新され、新しい顔つきになったという。
一方、マツダ2の価格帯は157万3000~266万7500円と、従来のデミオ比で価格も上昇気味だ。「立派」になったマツダ2は、実際のところデミオから何が変わったのか? デミオオーナーでもあった自動車評論家の鈴木直也氏が解説する。
文:鈴木直也
写真:平野陽
ベストカー 2019年11月26日号
デミオ改めマツダ2 名前が変わって実際変わった?
デミオ改めマツダ2には思い入れがある。
私事だが、ボクは2014年に車名変更前のデミオを発表即購入。クリーンディーゼルの走りを大いに楽しんだ。
その当時筆者の心を動かしたのは、走りのよさと同時にコストパフォーマンスのよいことだった。
最初期型「XD Lパッケージ」(FF・6AT)の価格は、ギリで200万円を切るレベル。オプションなどを追加した乗り出し価格は230万円ほどになったが、ドライバビリティの素晴らしさや燃費性能はもちろん、Bセグメントとしてはダントツにクォリティの高い内装に大いに満足したことを覚えている。
あれから4年。車名をマツダ2に改めた新型にひさびさに試乗した第一印象は、「熟成を重ねて立派になったなぁ」というものだった。
パワートレーンに関しては、ガソリンもディーゼルも基本的にはほぼ変わっていない。しかし、打てば響くような心地よいドライバビリティは、あいかわらずBセグではトップレベル。
特に、トルク25.5kgmを誇るディーゼルの力強い加速感は、同クラスではライバルがいない独自の魅力といっていい。
また、AT仕様のリズミカルなシフトフィールもいい。BセグメントはCVTが主流だが、そのなかであえてステップ6ATにこだわることで、こちらでもマツダブランドの独自性をアピールしている。
乗り味や静粛性も「上質」に
熟成という意味では、静粛性の向上が一番のポイントだろう。
プレゼンでは、天井成形材の吸音性能を高めたことが説明されていたが、よく観察すると後輪ホイールハウスに吸音インナーフェンダーを追加するなど、細部にわたって手がかかっている。
サスペンションに関しても、従来あまり得意ではなかった目地越えや路面パッチの受け止めにしなやかさが加わり、乗り心地のカドが取れて実にまろやかになった。
試乗した「XD Lパッケージ」(4WD)の車重は1250㎏だが、もっとずっと重いクルマのような重厚感あふれる乗り味。これはBセグのなかではダントツ上質なものといっていい。
気になる先進安全装備については、全モデルサポカーSワイド認定は当然として、自動ブレーキが夜間歩行者対応に進化。
標準装備は最上位グレードのみだが、全速度対応ACC(アダプティブクルーズコントロール)、アダプティブLEDライト、レーンキープアシストなどの最新トレンドも追加されている。
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