ボルボのオフィシャルパートナーである「ポールスターチューン」バージョンのS60に自動車評論家 国沢光宏が試乗! ポールスター初のコンプリートカーの乗り味やいかに!!?(本稿は「ベストカー」2013年11月26日号に掲載した記事の再録版となります)
文:国沢光宏
■350psの3L直6ターボにオーリンズ製ダンパー、ブレンボ製ブレーキで強化!
ボルボと言えば「安全を売りにするクルマ」というイメージが強い。しかし!
フォード傘下になる前のボルボって、案外スポーツ魂バリバリだったりして。1980年代は「空飛ぶレンガ」と呼ばれた240でグループAに参戦。
1985年と1986年のインターテックは、BMW635iやスカイラインを寄せ付けず2連勝を飾っている。
1990年代は激戦のBTCCに850エステートで参戦し、暴れまくった。
業績が悪化しフォードに飲み込まれた後、国際格式の競技から手を引いたものの、そんなことじゃスポーツ魂の火は消えなかったらしい。
フォードに対し「国内販売促進予算なのでいいでしょ」と言い、スウェーデン国内のシルエットフォーミュラに出ていたのだった。
話が長くなったけれど、その車両を開発していたのが『ポールスター』であります。ご存じポールスターは北極星。スウェーデンらしいネーミングだ。
ということで今回試乗したのはポールスター初のコンプリートカーである『S60ポールスター』。

3L 6気筒ターボを横置きにした4WDという極めてユニークなレイアウトを持ち、最高出力350ps。最大トルク51.0kgmは、5Lエンジンに匹敵するパフォーマンス。
ATながら0~100km/h加速4.9秒と元気一杯。ボンネット開けてみたら「ありゃま!」。凄いのはエンジンじゃなくダンパーです。
なんとオーリンズの別タン式。下を見ても50万円はするぞ! 考えてみたらオーリンズはスウェーデンが本拠地。どんな注文にも応えてくれるだろう、なんてことを考えながら走り出すと、やっぱしダンパーが素敵だ!
19インチの高性能タイヤだからして減衰力はガッチリ高いだろうし、バネも強そう。されど乗り心地が素晴らしい。滑らかに動いており、縁石をガツンと踏みにいっても「すこん」といなしてしまう。
レーシングエンジンを開発しているだけあり、エンジン特性はトルク重視型。コーナーの立ち上がりでアクセル全開すると、たちまち湧き上がる図太いトルクをオーリンズのダンパーがキッチリ路面に伝えてくれる。
ブレーキ容量をもう少し大きくしてやれば(開発段階ということ)、ベンツのAMGやBMWのMに匹敵するスポーツモデルに育つことだろう。
それでいて自動ブレーキなんか標準装備していたら嬉しい。日本発売は来年か? 早くも待ちどおしい!
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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