日産パトロール800万円台スタート?? 日本導入「本気で検討中」の真相とは? 試乗で見えた日産開発陣の超本気

日産パトロール800万円台スタート?? 日本導入「本気で検討中」の真相とは? 試乗で見えた日産開発陣の超本気

 最近自動車メディアに登場頻度の高い日産パトロール。日本で「サファリ」として愛されていた1台だがどうやら日本導入はかなり本気だという。もちろん最優先車種ではないのだが、それでもこれだけ日本向けに試乗会をやるってことは……。

文:ベストカーWeb編集長 塩川雅人/写真:NISSAN

【画像ギャラリー】これが800万円台ならめっちゃお得? 日産史上最強スペックのパトロール見ていって(9枚)画像ギャラリー

どうやら日産は本気で日本投入を目指しているらしい

日産は国内メディア向けに試乗会などを実施しているが、果たして日本導入はどうなる?
日産は国内メディア向けに試乗会などを実施しているが、果たして日本導入はどうなる?

 日本人ジャーナリストを日産がサウジアラビアでの試乗会に招待した。一部のジャーナリストだが、日本未発売モデルをわざわざサウジアラビアまで招待するのだからそれこそなにかしらの意図はあっただろう。

 その後も本社での展示車の取材やメディア試乗会などの機会を提供し続け、今回筆者は初めて(ベストカーWebとしては2回目)の試乗機会を得た。

 もちろん車両のインプレッションも大事なのだが、読者からすれば「日本で出さないモデルの試乗記事なんて読む価値がない」と思われるだろう。

 日夜、記事のアクセス分析をしていればそのような傾向は顕著に出るものだし、我々としてもあまり無意味に煽りたくはないところ。複数の日産関係者にパトロールの本当のところを聞いてみると異口同音にこう語る。

「出したいんです。もちろん日産がこういう状況ですけど、今後のラインナップに加えてフラッグシップ4WDを日本市場にも出したい。だからこそメディア向けの試乗もあるわけで、ぜひ読者の皆さんの反響を聞きたい」。

 ということで、ほぼほぼ確実的にパトロールは日本市場に投入されるだろう。「日産がそんなことやっている場合か」という指摘もごもっともだが、もちろんリーフ、軽自動車、エルグランドなどの収益性の高いモデルが優先されるはず。

 もっといえばキックス(e-POWER版もあるか?)の投入も急ぎたいが、とにかく日産には復活の象徴となるようなモデルが必要だ。まさに2001年のZ33フェアレディZのようなイメージ。それがパトロールなのではないか?

乗り味は「ランクル300とは別ベクトル」

エクステリアは巨大ながらよくまとまっている。九州工場で生産されているし、納期なども含めてランクル300と勝負できると思うのだ
エクステリアは巨大ながらよくまとまっている。九州工場で生産されているし、納期なども含めてランクル300と勝負できると思うのだ

 前段が長くなったので早速試乗記に移ろう。ランクル300と比較するメディアが多い日産パトロールだが、試乗してみればまったくもってベクトルが異なる。

 ランクルが世界中の荒野で扱われるモデルなのに対し、パトロールはやはり中東での使用を大きく意識している。猛暑での冷却など「砂漠仕様」になっている。

 乗り味も同様だ。ランクル300が「キッチリ」したソリッドな乗り味とすれば、パトロールは明らかに「ゆったり」したモデル。ややダルな印象も受けるがその動きはかなりおおらかで懐が深い。

 ハンドリングもパワステのセッティングがこれまた絶妙で好感触。ランクル300ではきっちりとした軽快感も覚えるスポーティなものだし、この手のモデルの始祖とも言えるメルセデスのGクラスはもっとスポーツカーライクだ。

 だがパトロールはまったく違う。もちろんステアリング反応が遅いということはないが、コーナーで大きな車体がノーズをねじ込むと少し遅れてリアの向きが変わる。感覚とすれば後輪操舵がついているようなイメージだ。

 さらにパワステのチューニングも絶妙だ。きっちりとリアの姿勢変化を待つかのように高負荷時にもグーっと粘るフィーリングがある。細かいS字カーブをややオーバースピードで突っ込んでも「おつり」がこないのはさすが日産のセッティング。

 リアサスペンションはライバル比でもトップというが、筆者としてはブレーキのバランスについても特筆したい。まずストッピングパワーはかなり強烈だ。タッチもよく、初期はマイルドながらも踏み足して行くとグーっと沈み込む。

 さらにリアブレーキもきっちり仕事をしている印象で、車両全体の姿勢変化を作り出せる。こコーナリング前のブレーキでも車両が中央部から下に押さえつけるようなイメージになり、巨体なパトロールながら非常に安心感が高い。

次ページは : GT-R直系エンジンは禁断の果実なのか

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

ベストカー12.26号 価格590円 (税込み)  あの「ジャパンモビリティショー2025…