打倒フェラーリ&NSX 新型コルベットがFRを捨てたギリギリの決断と成果

外観以上に斬新なデザインのコクピット

先代モデルよりも600mmも前に出された運転席はドライバーズオリエンテッドの作りで、戦闘機のコクピットのようだ。ここまで運転席と助手席がはっきりわかれたコクピットも珍しい
先代モデルよりも600mmも前に出された運転席はドライバーズオリエンテッドの作りで、戦闘機のコクピットのようだ。ここまで運転席と助手席がはっきりわかれたコクピットも珍しい
こちらが右ハンドルの日本仕様
デジタル式の液晶ディスプレイを採用
デジタル式の液晶ディスプレイを採用
運転席と助手席を寸断するかのような、エイのひれのようにも見える壁があり、そこには各種スイッチ類が並ぶ

 最新のインフォテインメントや大胆なスイッチレイアウトなどで構成される内装は、総じて使い勝手に極端な不自由は感じなかった。

 戸惑ったといえば室内灯部に置かれたハザードスイッチくらい、困ったといえば鞄などの置き場がシートバックにもないということくらいだろう。

 ちなみに代々のコルベットの美点である積載力的には、車体前後に計357Lのトランク容量を確保している。

 こういう日常性において特筆すべきは乗り心地のよさだ。日本仕様のコルベットは電子制御メカニカルLSDを筆頭に運動性能を高めるZ51パッケージが標準となるが、そのサスペンションのセットであっても路面アタリは柔らかく、揺すりや突き上げなどの不快要素は少ない。

 ロードノイズ系の侵入もよく抑えられており、総じて快適性はポルシェ911にも比肩するほどだ。

シートは快適性重視のコンフォートタイプからバケットタイプまで3種類を設定。日本仕様は2LTに中間のGT2、3LTにコンペティションスポーツバケットシートが備わる
エンジン後方のスペースにはルーフを置くスペースが設けられている
エンジン後方のスペースにはルーフを置くスペースが設けられている

 もちろん運動性能も大きな進化を遂げている。コーナーではパワーをしっかりかけていけどもリア側はどしっと座っていてブレークの兆候はやすやすと示さず、滑り出しにも急激な破綻はない。

 メーター読みながら定常1.3Gの旋回性は4駆の日産GT-Rにも並ぶ勢いで、それでも綺麗に中立的に向きを変えていく所作をみるに、これまでとは芸風を異にする新しいダイナミクスが得られたことを実感する。

 ストックでニュル7分30秒切りというパフォーマンスは伊達ではない。新型コルベット侮るべからずだ。

ミドシップを採用したとはいえコルベットらしさがしっかりと残されていた。フェラーリやGT-Rとの走りの対決が楽しみだ
ミドシップを採用したとはいえコルベットらしさがしっかりと残されていた。フェラーリやGT-Rとの走りの対決が楽しみだ

■シボレー コルベット主要諸元(北米仕様)
ボディサイズ:全長4630×全幅1934×全高1234mm
ホイールベース:2722mm
トレッド:前1648 後1586mm
乾燥重量:1530kg
エンジン:V型8気筒OHV(LT2)
ボア×ストローク:103.25×92mm
総排気量:6153㏄
圧縮比:11.5
最高出力:495hp/6450rpm
最大トルク:637Nm/5150rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:RWD
ステアリング形式:電動パワーステアリング
サスペンション形式:前後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(ブレンボ製)
ローター径:前321×30 後338×26(Z51 前345×30 後350×27)mm
キャリパー:前後4ピストン(Eブースト アシスト付き)
タイヤサイズ(リム幅):前245/35ZR19(8.5J) 後305/30ZR20(11J)

■日本での価格:2LT/1180万円、3LT/1400万円。右ハンドル車。いずれも消費税10%込み。2020年1月10日から予約開始

【画像ギャラリー】アメリカ人の「魂のヒーロー」歴代コルベット約65年の軌跡

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