新型ベンツS 長っ!! 全長5.4m!? 2253万円の世界は何が凄い?

2000万円超のリアシートはどれだけ快適なのか?

 この2000万円超の車にどんな魅力があるのか? 車両価格約250万円の車を所有する筆者にとっては、ざっくり8倍の車である。

 そして、この車の所有者が座り、最も真価が問われるのは、運転席ではなくリアシート。まずはその漆黒の長大なボディの後席に身を委ねることにした。

 実際にマイバッハのシートに掛けると、足を投げ出せるくらい広い。でもそれ上に快適さが異次元すぎる!!

 例えば、ヘッドレストはテンピュールの枕のようにフカフカだし、徐にウィンドウを閉じると、スッと吸い込まれるようにピタリと窓が閉じる。大衆的な車にありがちな「ウィーン、ガシャ」という窓の閉まり音とはまるで違う。

 そして、室内には事前に選んだ最高級アロマ(1万2960円)のフルーティな香りが漂う。

 軽でLクラスセダン並みに広いダイハツ タントも凄いけれど、10倍以上高いマイバッハの“広さだけではない快適さ”はたしかに圧倒的だった。

広い室内空間を誇るマイバッハのリアシート。膝元にはオットマンも付き、ヘッドレストは柔らかいクッション付き
広い室内空間を誇るマイバッハのリアシート。膝元にはオットマンも付き、ヘッドレストは柔らかいクッション付き

『常時車線中央をキープ』進化した追従クルコンの出来は?

 そして、マイバッハとSクラスのもうひとつの真骨頂が追従型クルコン。

 この新型からアイサイトなどと同様、ステアリングのスイッチでクルコンのON/OFFや速度設定ができるようになり、操作性も格段に向上(従来はC/Eクラス同様レバーによる操作)。

 先行車との車間を調整する加減速も比較的スムース。でも、それ以上に凄いのが前述したステアリングアシストだ。

  「標準」を選ぶと、車線をはみ出しそうになった時にハンドルを「戻す」だけなのだが、「アクティブ」にすると、ハンドルに手を添えているだけで、常時積極的に車線の真ん中をしっかりキープしてくれる。

 絶えず修正舵を入れているような感覚には、若干違和感もあるものの、現在の追従型クルコンではトップクラスの性能で、長距離ドライブの負担を大いに減らしてくれる快適装備だと実感。

写真はハンドルに手を添えているが、ハンドルから手を離すと警告が出てアシストは停止する
写真はハンドルに手を添えているが、ハンドルから手を離すと警告が出てアシストは停止する

V8の上質さ、圧倒的スタビリティはさすがのベンツクオリティ

 そして、車ファン的に「やっぱりいいね!」なのは、マルチシリンダーならではの上質なエンジン。

 今回試乗したのは、S560ロングとマイバッハS560。ともに前述の4L、V8ターボを搭載するモデルだ。その淀みなく静かでパワフルな加速フィーリングは、格別。

 EVの新しい加速感も魅力的だけれど、上質さではV8に一日の長あり。

 “走りを楽しむ車”ではないけれど、何をやっても破綻しないと思わせる圧倒的なスタビリティもベンツならでは。

メルセデスベンツ S560ロング/1646万円
メルセデスベンツ S560ロング/1646万円

 通常のSクラス/マイバッハともに、9月上旬より納車が開始している(マイバッハS560、S650のみ12月頃納車開始)。

 価格はSクラスが1128万〜3323万円(AMG含む)。マイバッハはS560が2253万円で、V12のS650は2761万円。

 ミライースが『必要充分車』だとしたら、マイバッハやSクラスは『必要以上に贅を尽くした車』。“お値段以上”かどうかを求めるのは野暮ってモノだ。

メルセデス・マイバッハ S560/2253万円
メルセデス・マイバッハ S560/2253万円

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