2020年8月25日、ボルボは現在展開しているSUVのラインナップについてパワートレーン一新、内燃機関のみを搭載した車両をなくし、全てのモデルをプラグインハイブリッド車、48Vハイブリッド車とすることを発表した。
気になるのはその感触であり走りだが、自動車評論家 岡本幸一郎氏とともに新しいXC40に試乗してみた。
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※本稿は2020年8月のものです。試乗日:8月5日
リポート:岡本幸一郎/撮影:中里慎一郎
初出:『ベストカー』 2020年9月26日号
■ボルボ独自の「DCT+PHV」は驚くほどシームレス!
電動化を本格的に推し進め始めたボルボの、日本で一番売れてるXC40に、「リチャージ」と呼ばれるPHVが追加された。
まず、60/90シリーズのPHVとはまったく別物の、1モーター式PHVシステムの概要を聞いてビックリ!
再三のリコールで評判を落としたあの国産コンパクトカーに激似!? はたして大丈夫なのかと危惧しながら横浜みなとみらい界隈を走ってみると、ビックリするほどヨカッタ!
バッテリーが充分に残っている状態でごく普通に走るぶんにはモーターが主役。
スルスルとなめらかに走り出し、変速時にはモーターがアシストしてくれるらしく、おかげでDCTにありがちなカクカクした感覚もまったくナシ。極めてシームレスな加速フィールに大いに感心させられる。
アクセルを踏み込むとエンジンがかかり、より力強い加速が得られる。
走りが上質だからこそ、3気筒になったエンジンの特有の音が物足りなく感じられるのは否めないが、遮音性を高めるなどできるだけ気にならないよう努力したことはうかがえる。
モーターによるアシストは条件がそろうと4速に入る。変速時にはタイムラグがあるらしいのだが、今回は確認できず。ほぼ2速固定と思ってよい。
それゆえ回生で回収できる電力は減るわけだが、ギクシャクせずに走れるメリットのほうがずっと大きいように思えた。
バイワイヤのブレーキは若干クセがあるが、それほど気になることもない。
このクラスはスポーティなSUVが増えているが、いたって快適な乗り心地や意のままに操れる素直な走り味など、XC40の本質であるやさしい性格はPHVになっても変わらない。
しかも優遇税制により購入時の出費は実質的にガソリンの最上級機種と同等。ひょっとしてXC40の大本命かも!?
■ホンダi-DCDとXC40のPHVの違いとは?
ホンダのi-DCDは7速DCTの奇数ギアとモーターと組み合わせていたが、ボルボは偶数ギア側の出力軸にモーターをマウントした7速DCTを組み合わせる。
エンジン駆動モードとモーター駆動モードのイイとこ取りをしつつ前輪を駆動する仕組みだ。
Pure(EV)モードでは2速→4速の変速を行ない、モーターのみでMAX135km/hで走行可能。
エンジンルーム内にインバーターを、トンネルコンソールにリチウムイオンバッテリーを配置しており、車内空間への影響もほぼない。
■ボルボ XC40 Recharge Plug-in hybrid T5 Inscription
・全長×全幅×全高:4425×1875×1660mm
・最低地上高:210mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:1790kg
・エンジン:直3DOHC+ターボ+モーター
・最高出力:180ps/5800rpm
・最大トルク:27.0kgm/1500-3000rpm
・モーター最高出力:82ps/4000-115000rpm
・モーター最大トルク:16.3kgm/0-3000rpm
・WLTCモード燃費:14.0km/L
・価格:649万0000円
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