ウェットでも安定度はバツグン!!
走り始めから、路面とのコンタクトフィールが柔らかく、先日試乗したVWのT-Cross(18インチタイヤ)と比べても、はるかに印象がよい。
新型キャプチャーのタイヤは215/55R18 と、他車のように不似合いな低扁平タイヤを履いていないことが効いている。
それでも、ややタイヤ外径が大きいので、あと1サイズほどタイヤ径を小さくすれば、設計的にもっと小回りができるのになあ、とは感じた。
2ペダルDCTの7速EDCは、スピードに乗せたあとの変速が、ごく短時間で行われ、見事だ。
シフトアップがスパスパと決まる感覚や音は、性能の良いマニュアルトランスミッションのようだ。強く踏み込めば、割りと荒々しいエンジンサウンドが聞こえ、それが心地よくも感じる。
CVTや多段ATの滑らかなシフトアップも良いが、トルコンの滑りがイヤで、ダイレクトにギアがかみ合う感覚を好む方には、この7速EDCのほうが向いているだろう。
ただ、車速ゼロからのスタート時に、若干もたつきがあるように感じる。信号が変わってすぐに前へ進みたくても、ほんのわずかだが、発進が遅れる。
オートブレーキホールドからの復帰時はなおさらで、一般的なAT車のそれよりも、時間がかかるのはいただけない。
高速走行やコーナリングでは、サスペンションの路面追従性が高いため、どこでも安定した走行ができる。
試乗日はあいにくの雨で、高速道路上でもウェット路面が多々あったが、1320kgの車重に対して、215幅の立派なタイヤのおかげもあり、怖さは感じなかった。
強めのハンドル操作を入れると、横方向へのタイヤのよれを感じるが、丁寧なハンドル操作をしている限りでは安心だ。
なお、走行中は常に静粛性が高く、新型プラットフォームの恩恵は、ハンドリングよりも、むしろロードノイズの低減に効いているようだ。
価格は299万円~、VW T-CROSSやヤリスクロスと比べてみる
キャプチャーのグレードは、標準のインテンス(299万円)と、インテンステックパック(319万円)の2種類。20万円の差は、レーンセンタリングアシスト、運転席電動シート、レザーシート(標準はファブリック素材)、スマホのワイヤレスチャージャー分だ。
なお標準ナビゲーションシステムは、別途オプション装着となる(Apple Car PlayやAndroid Auto経由でのナビはそのままで使用可能)。
輸入車のライバルだと、VW T-CrossやT-Roc、国産のライバルだと、日産キックス(276万円~/2WD)や、ヤリスクロスハイブリッド(228.4万円/ハイブリッドX 2WD)、そろそろ次期型が登場すると思われるヴェゼルハイブリッドなどが該当する。
T-Cross(TSI 1st Plus、338万円)や、T-Roc(TDI Sport 、419万円)と比較すると、新型キャプチャーのほうが安いが、国産SUVたちと比較すると、新型キャプチャーは、約30万~70万円ほど高いプライスとなる。
それだけの差があれば、エアロパーツやアルミホイール、ドライブレコーダーといったオプションも余裕で購入できると考えると、悩ましいところだ。
だが、静・動の質感が高い新型キャプチャーを選ぶのは、大いにありだと思う。Bセグメントには全く見えないフレンチデザインの最新コンパクトSUVに乗って、街中やワインディングをドライブするのは格別に気持ちが良い。デザイン買いしても、後悔しないと思う。
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