次期クラウンSUVとセンチュリー級SUVはいったいどうなる? 噂の真相を追う!

 2020年11月11日付の中日新聞が報じた「次期クラウンSUV化」は大きな話題となったが、さらに2021年1月13日、今度は中部経済新聞が「センチュリー級SUVをトヨタが開発」という驚きの情報を放った。

 はたして、本当に次期クラウンはSUVになるのか? またセンチュリー級SUVをトヨタが開発している情報の信憑性は? ベストカースクープ班が真相に迫る!

文/ベストカースクープ班
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 トヨタ ローロスロイス
CGイラスト/ベストカー編集部

【画像ギャラリー】これが次期クラウンSUV&次期センチュリー級SUVだ! 予想CGイラストを大公開!


報道された内容は本当に正しいのか?

2018年6月にデビューした15代目となる現行クラウン。2020年11月2日の一部改良では内外装の質感を向上させるとともに、12.3インチTFTタッチワイドディスプレイ採用のT-コネクトSDナビゲーションシステムや進化した最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を採用
2018年6月に登場したセンチュリー。2020年は兵庫県知事の公用車に使われていることが問題になた

 次期クラウンSUV、センチュリー級SUVを報道した2つの新聞社は、トヨタのお膝元である名古屋発の情報だけに信憑性は高い。

 名古屋には中部経済圏の要であるため、経済新聞関連の記者クラブがあり、トヨタをはじめ中部地区の大手企業の情報を発信していて、これまでも新型車に関する正確な記事を出してきた実績もある。

 情報源はもちろん秘密だろうが、地元名古屋だけにトヨタの役員が口を滑らせることもあるだろうし、トヨタの思惑でリークされたものもあるだろう。いずれにしても、まったく無視できる話というわけでもない。

 2020年、センチュリーを巡っては、兵庫県知事の公用車が税金を使うのに、高額すぎるのではないかとバッシングされ、今後の首長クラスの公用車や官庁の公用車などの選定で、こうした伝統ある高級車に暗雲が立ち込め始めた時期でもある。

 こうしたなかでのセンチュリー級SUV情報というのは、あり得る話ではある。この時、兵庫県知事のセンチュリーに対し、広島県知事の公用車はマツダCX−8であり、災害地視察等でも高い走破性能が発揮され、しかもリース料も安価という報道もあった。

 そうであればトヨタとしても動く可能性はある。しかも記事には年間生産「1000台」規模という具体的な数字もある。

 当然、最初に疑問に思ったのは、このセンチュリー級SUVはこれまで報じられてきたクラウンSUVとは別のクルマなのか、ということだ。この点について、信頼できるトヨタ関係者に直接聞いてみた。

高級SUVはレクサスブランドでは? それとも……

センチュリー級SUVは、2018年のデトロイトショーで公開されたレクサスLF-1リミットレスではないかと予想する(CGイラストはベストカーが製作したもの)

 話を聞いたトヨタ関係者によれば、センチュリー級SUVというのは、「今のところ聞いていない」ということだった。

 続けて、進行中のポルシェカイエンに対抗するレクサスの最高級SUVは、まだ市販型のネーミングは明らかにされていないが、2018年のデトロイトショーで公開されたコンセプトカー、LF-1リミットレスのことではないかと推測した。

 ただし、2021年中に登場する予定だったこの超高級SUVも大幅に遅れていて、投入時期は大きくずれるということだった。

 理由は開発中の新型エンジン、4L、V8ツインターボの開発にまだ時間がかかり、このエンジンなくしてはヨーロッパの高級スポーツSUVには対抗できないし、存在理由も希薄になるためだという。

 ただ、電動化が急がれる今の世の中の大きな流れのなかで、このエンジンの必要性に疑問もあり、場合によってはこのプロジェクト自体が消滅する可能性すらあるということだ。

 その代わりの企画として、センチュリー級SUVが動き出す可能性はあるかもしれないと付け加えている。

 確かにレクサスであればポルシェカイエンやBMW X8、アウディQ7などの高級スポーツSUVがターゲットになるだろうが、トヨタブランドでクラウンよりも上質なセンチュリー級SUVとなれば、ロールスロイスカリナン、ベントレーベンテイガとまではいかなくても、キャデラックエスカレードクラスの「黒塗り」が似合うSUVが生まれる可能性はある。

 つまり、トヨタの開発内部でもこのセンチュリー級SUV計画について、現時点では共有されておらず、本当であっても、まだ一部の部署でしか知られていない企画段階の話で、新聞で報じられているような2023年に市販化できるか、というと承認から生産までの時間を考えると疑問が残る、といったところだろう。

 あるいはトヨタ側のリークで世論調査、マーケットリサーチの一環であることもありえる。

2018年9月、自動車工業会の定例会見で豊田章男社長を乗せて登場したセンチュリーGRMN。黒塗りではなく、違うボディカラーだとSUV化されても違和感はない。現行センチュリーをSUV化するとセンチュリーロイヤルの寝台車仕様と近いものになるのだろうか
ロールスロイスの超高級ラグジュアリーSUV、カリナン

注目のクラウンSUVはどうなるのか?

もしも現行クラウンをSUV化したらこのようなスタイルになるという例(CGイラストはベストカーが製作したもの)

2020年11月23日に公開されたトヨタイムズ「世界大会」の映像はこちら!

 それよりも次期クラウンSUV化の情報だろう。2020年11月11日、中日新聞が一報を打ち、その後読売などの大手新聞が追従した次期クラウンSUV化の記事だが、情報の出所は、トヨタのCM撮影の時とみるのが妥当だろう。

 テレビCMでもよく知られているトヨタイムズは、俳優香川照之扮する編集長がトヨタのあらゆる活動をレポート形式で伝えていく異色CM。

 そのCMはYouTubeなどオンラインでも配信されているが、2020年11月23日、トヨタイムズ「世界大会取材」のタイトルで、サブに「極秘映像を香川編集長が見た!」をつけて配信している。

 そのなかに、新型クラウンの映像が流れ、豊田章男社長が説明し、香川編集長が、「えっ!? やっちまったなあ! だからマイナーチェンジする代わりにこうするの?(中略)このクラウンすげーぞ、見ちゃったぞ!」と驚く。

 最初に香川編集長が守秘義務契約書にサインするシーンがあり、映像では香川編集長が正面にある画面を見ていて、次期クラウンが出ている箇所は「秘匿情報」としてその画面が隠されているように処理されている。

 この世界大会はトヨタの世界の社員36万人が見ているとしているが、このなかには、もうすぐ登場の次期ランドクルーザーやプリウスもあるとして制作されている。

 タイミング的に、このCM映像が制作されたのはオンエアから1〜2週間前だろうから、中日新聞の掲載時期とこのCM制作時期は符合する。

 当然、このCMが配信されることを前提にトヨタ側が意識的に流したこともあり得るわけで、CMに携わった関係者が責められることはない。

【画像ギャラリー】これが次期クラウンSUV&次期センチュリー級SUVだ! 予想CGイラストを大公開!

次期クラウン目撃情報を入手! ハリアークラスのSUVだった

GA-KプラットフォームはRAV4、ハリアーといったSUVにも使われているため、クラウンSUVに使われる可能性は高い。このCGイラストはFFプラットフォームをベースに新ジャンルクロスオーバーを提案した例(CGイラストはベストカーが製作したもの)
次期クラウンの映像を見たトヨタ社員はハリアークラスという表現をしていたという。ただサイズは全幅が1800mm以下、全長4800mm程度と現行クラウンに近いものになるという。ちなみに現行ハリアーは全長4740mm、全幅1855mm、全高1660mm

 それで36万人にものトヨタの社員が、2020年11月に実際に次期クラウンやプリウスなど目にしたとすれば、これまでデザイン情報が漏れてこないわけはない。

 実際に前出のトヨタ関係者に聞いたところ、まだ見ていないということだった。ただ見た社員はいるということで、どのあたりまで「世界大会」の映像を見たのかは不明だ。トヨタ社長が英語で話していることから、世界に配信されたことは間違いないし、日本ではある程度の職制以上だったのかはわからない。

 実際に見た社員に話を聞くと、ハリアークラスという表現をしていたという。デザインも最近のカローラやヤリスと同様、世界に通用するものでこれまでのクラウンのイメージとは全く異なる。

 ただクラウンらしいのはサイズで、全幅が1800mm以下、全長4800mm程度と、現行クラウンに近いものだ。これが営業からの強い要望だという。

 2020年12月10日売りのベストカー本誌2021年1月10日号では、3タイプの「次期クラウン」について予想しているが、これまでのFRを捨てFFベースになることを指摘している。

 現行クラウンはGA-Lプラットフォームのナロー版を使っているが、レクサスLS/LCなどに使う大型FR用のGA-Lプラットフォームを今後強化される側突対応などにより全幅1800mm以下とするのは難しく、クラウン専用プラットフォームを別に開発しなければいけない。

FRのクラウンに対し、カムリはFF。ボディサイズは全長4910mm、全幅1840mm、全高1445mm。全長はクラウンと同じでホイールベースは2825mmとクラウンより95mm短い

 今後プラットフォームを整理統合していくトヨタとしては、この選択肢の可能性は少ない。そこで予想されるのはカムリなどに使われるGA-Kプラットフォームだ。

 カムリのサイズは全長4910mm、全幅1840mm、全高1445mmで、全長は現行クラウンと同じ。ホイールベースは2825mmでクラウンより95mm短いが、エンジン横置きのFFのため、室内空間はFRのクラウンより広い。 

 このGA-KプラットフォームはRAV4、ハリアーといったSUVにも使われているため、クラウンSUVに使われる可能性は高い。中日新聞の報道も次期型クラウンはハイランダーのプラットフォームを活用したSUVになる、と伝えている。 

 現時点でわかっている次期クラウンの情報はここまで。近いうちにさらなる目撃情報を集め、より具体的なデザインをお見せすることを約束したいと思う。市販が予定される2023年を期待して待ちたい!

【画像ギャラリー】これが次期クラウンSUV&次期センチュリー級SUVだ! 予想CGイラストを大公開!

最新号

ベストカー最新号

【スクープ】セリカ復活も!? トヨタのスポーツ&電動化戦略が加速する!!|ベストカー3月26日号

 ベストカー3月26日号が、本日発売。今号のベストカー、巻頭を飾るスクープは、トヨタのスポーツモデル戦略を追います。  高評価を受けるGRヤリス搭載の1.6L、直3ターボ。272ps/37.7kgmを発生するこのエンジンを次に積むモデルは、…

カタログ