やっぱりジムニー最強説! 現行型試乗で実感した唯一無二の価値

流行りのSUVには真似できない異次元のオフロード性能

オフロードはジムニーの独壇場。走破性だけならランクルも優れるが小さなボディはジムニーだけの価値
オフロードはジムニーの独壇場。メッキのドアハンドルはランドベンチャーの特別装備

 ジムニーが真価を発揮するのは、やはりオフロードだ。4WDへの切り替えは、センター部分にあるプッシュスイッチで行う。右側に4WDローレンジ+ロックも装備する本格派だ。

 が、多くの場面は4WDのハイレンジだけでこなせた。それほど高い潜在性能を秘めているのだ。最低地上高は200mmあるから、ほとんどのステージを余裕で乗り切ることができた。柔軟な足の動きと卓越した走破性能が光っている。

 軽やかに動くサスペンションは、フラットダートでは優れた接地フィールを見せつけた。ちょっとダルに設定したパワーステアリングは荒れた路面で蹴返されても修正しやすい。

 ラフロードやガレ場の走りも非凡だ。障害角が十分に確保されているから荒れた路面やギャップの大きな路面でも安心感のある走りを披露した。

 低速での走りを強いられるギャップの大きな路面での走破能力は驚くほど高い。アップライトパッケージで前方の見切りがよく、視界がいいのも美点にあげられる。

 最近の主役は、乗用車のプラットフォームを用いたモノコック構造のライトクロカン、クロスオーバーSUVだ。だが、ぬかるんだ泥濘路をハスラーで走ったら、すぐにスタックしてしまうだろう。荒れた路面での乗り越えでは亀の子になる可能性も高い。

 また、ジャンプでもしようものなら、ボディやフレームが衝撃でひずんでしまうだろう。もちろん、砂地などに乗り入れても早々にギブアップするはずだ。ジムニーはグラベルだけでなく、雪道や渡河性能も上級クロスカントリー4WDに負けない。

今なお魅力放つ現行ジムニーの存在意義

まさにジムニー
このような狭い悪路にはランクルは入れない。悪路走破性とコンパクトボディを兼ね備えたジムニーならではの“瞬間”を収めた一枚だ

 小さなオフロードキングがジムニーだ。ジムニーで標高2000m級の冬山登山に挑んだことがあったが、驚くほど軽やかに七合目まで登った。また、ランドクルーザーが難儀する砂地でも余裕ある走りを見せつけている。こんな芸当ができるのはジムニーだけだ。

 ランドベンチャーは、ジムニーXGをベースに、専用のメッキグリルやアルミ製スペアタイヤハウジング、アンダーガーニッシュ、専用アルミホイールなどを加えた特別仕様車である。

 専用シート表皮のクオーレモジュレはフィット感がよく、夏は熱くなりにくい。冬場はシートヒーターの採用と相まって快適である。昔のジムニーを知るものにとっては快適性が向上し、ジムニーじゃないよ、と驚くばかりだ。

 3代目ジムニーは、間もなく生産を終了する。すでに5速MT車は在庫がほとんどなくなった、との情報が漏れ伝わってきた。間もなく登場する4代目ジムニーは魅力を増しているだろう。

 が、現行の3代目も今なお魅力を放ち続けている。4代目は今風のメカニズムになる、というファンも少なくない。

 タフで質実剛健な3代目ジムニーを手に入れられる最後のチャンスが今なのだ。愛おしく感じているのは、ジムニーファンだけではないだろう。

ジムニー ランドベンチャー/全長×全幅×全高:3395×1475×1680mm、JC08モード燃費:13.6km/L(4AT車)
ジムニー ランドベンチャー/全長×全幅×全高:3395×1475×1680mm、JC08モード燃費:13.6km/L(4AT車)
リアスタイル
リアスタイル
K6A型エンジン。最高出力:64ps/6500rpm、最大トルク:10.5kgm/3500rpm
K6A型エンジン。最高出力:64ps/6500rpm、最大トルク:10.5kgm/3500rpm
4WDスイッチはエアコンの下に配置される
2WD/4WD切り替えはエアコンの下に配されるプッシュスイッチ式

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