■アルテオンとジュリアの輸入車らしい存在感
VWブースで異彩を放っていたのがアルテオン。いわゆる4ドアクーペってやつで、ベンツCLAやBMW4シリーズグランクーペなど、最新欧州のトレンド。
VWのラインアップでは最上級に位置するモデルでボディサイズは4865×1875×1435mmだからパサートよりも一回り大きく、なかなかの存在感。
エンジンは直4、2Lターボで価格は599万円なので、見た目のイメージよりお安い感じ。
さらに駐車エリアを歩くとアルファロメオのジュリアも大いに気になる存在。レクサスISやマークXに近いサイズ感のまっとうな後輪駆動4ドアセダンなんだけど、ガッチリとした骨太感のあるフォルムで力感を感じるスポーツセダン。
「スーパー」と「ヴェローチェ」には直4、2Lターボが搭載されていて価格も500万円台。ま、現実的にはアルテオン同様、なかなか手を出せない価格なんだけど夢は広がる。
残念ながらこの2モデル、大人気で試乗枠を確保できなかったので鈴木直也さんにインプレを聞いてみた。
「アルテオンはクルマとしての出来は凄くいいんだけど、VWの高級モデルって日本では歴代、不遇なんだよね。
599万円出すんだったらベンツやBMWに目がいっちゃうというのが普通の人の感覚。自動車雑誌的にはバリュー・フォア・マネーの高さをススメたいところなんだけどね。
アルファジュリアはクワドリフォリオのV6ターボが超強烈。このエンジンだけでジュリアの存在感を決定づけている。フェラーリよりも官能的といっていいよね。
いっぽう2ℓLーボはまあ普通によくできたエンジン。ただ、BMW3シリーズとは決定的に異なるキャラのアジャイル性を追求した操安性を作りだしているんだけど、これはインパクトがあっていいね。楽しいよ」
いやぁ、この2台はぜひ乗りたかったです。
■プジョー308は国産からの乗り換えにもピッタリ!?
印象的だったのがプジョー308。1.2Lガソリンターボエンジンは3気筒!! 日本の自動車メーカーだったらこの車格で3気筒はやらないだろうし、位置づけとしては2L級NAエンジンのリプレイスだから4気筒以下は考えない。
でもプジョーはやっちゃうわけですよ。BMWだって3シリーズに直3、1.5Lターボ載せているけど、このあたりの考え方が「外車」ならではの文化を感じるところ。
ま、逆回転するタコメーターの針はいかに独自をよしとするフランス文化といっても、やっぱりなじめなかったけど。
あと、シートのよさは相変わらずだなと実感した。このあたり、シトロエンのDS3よりも圧倒的にアヴァンギャルドですよ、実際。全体的なデザイン、雰囲気はDS3がぶっ飛んでいますけど、プジョーもなかなかです。
今回試乗した308SWは1.6Lディーゼルターボもあり、こちらは4気筒でトルクフル。
このあたりと比べるとBMWは「安定の」とか「定番の」と形容したくなる安心感というか、ピタリとはまる居心地のよさがある。
新型になったX3なんて、パッと見どこが新しいかよくわからないほど「変わった感」がないんだけど、乗ると明らかに世代が違うことがわかる進化をしている。523dの2Lディーゼルの静かでフラットなトルクときたら、完熟の極み。
でも、せっかくJAIA試乗会に来たのだから……と、最後にポルシェパナメーラに乗らせてもらっちゃったのは1日頑張ったご褒美ということで、勘弁してください。
コメント
コメントの使い方