約40km走れるEVモードも搭載
この11.9kWhのリチウムイオンバッテリーがフル充電で走行できる距離は40.6km。通勤やスーパーへの買い物なら充分な距離。エアコンの使用頻度や季節によってガソリンエンジンの燃費が変わるように、電気だけで走れるEVモードの走行距離も変わります。
したがってこの40.6kmはおおよそ。実際試乗の走り出しからバッテリーを使い果たしてエンジンが始動するまでに約35km近く走行した。
もちろん1人乗車なので多人数や荷物満載ではもっと距離は短くなるだろうが、エンジンが始動するまでは静粛性が高く逆にロードノイズなどが耳障りではないがよく聞こえる。
でもエンジン始動したハイブリッドモードになってからも急加速をしない限りよくわからないほど静かだ。
アクセルを一気に踏み込んで急加速をさせればスーパーチャージャーのブロワーのような音が大きくなるだけ。もちろんその時の加速力はかなりのもので、7人フル乗車でもまったくストレスを感じないはず。
ちなみにセンターディスプレイから「チャージモード」を選択すれば、停止/走行中に関わらずエンジンが始動して発電し強制的に充電を開始する。この時の走行そのものはハイブリッドモードです。
ハイブリッド走行での「走り」の実力は?
ハイブリッドモードでは信号からのスタート時はアイドリングストップからモーターだけで走り始めて、後追いでエンジンが始動する。2370kgの車重なので、これを停止状態から動かすのにはかなりのエネルギーが必要。その最初の転がりをモーターが行うことで燃費節約に貢献するのだ。
バッテリーがゼロになっていても停止時からのスタートではモーターアシストが常におこなわれたので、そのぶんの電力は確保されているらしい。
今回の試乗会での全走行距離は約300kmで燃費はバッテリーによるモーター走行も含めて11.0km/L台と非常に優秀だった。写真にもあるように砂浜を走行できる千里浜を走ったのだが、リアモーターのAWDゆえに不整地でも問題なく走行できた。
試乗では立山方面に向かい、雪の残る山深く走ったがエアサスゆえの乗り心地が快適で、やんわりしている割にコーナーではふんばるロールでコーナリング性能は思いのほか高かった。タイヤは275/40R21を前後に履いていて、そのパフォーマンスをしっかりと生かすサスになっている。
金沢への帰路は北陸道を走ったが、パイロットアシストによるACC(先行車追従型クルコン)+LKA(レーンキープアシスト)によって疲れ知らずのクルージングができた。
国産PHEVと比較するとどう?
国産PHEVでは現在発売が中断されているRAV4 PHVやアウトランダーPHEV/エクリプスクロスPHEVがあるが、これらと比べてもXC90は車格が上なので単純比較できない。
加速力ではRAV4 PHEVはいい勝負をするだろう。ただ、機能面では三菱の両EVは急速充電も可能だ。また室内電源に100Vコンセントは装備されていない。
とはいえXC90 リチャージを選択する人にとってはどうでも良いことだろう。このエグゼクティブな室内環境は国産のPHEV/SUVにはないもの。
さらに電動化を旗印に環境への一手を次々に打ち出すボルボに乗ることは、グリーンビジネスが注目され始めている今、既にそれ自体がステータスになっているのだ。
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