スバル・ジャスティ試乗 国産初のリッターカー4WD【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

■リッターカーとして出色のインテリア

 ジャスティで気にいったのはインテリアの出来だ。シートはしっかりして座り心地がよく、リッターカーでも、もはやこれほどのシートが持てるようになったかと驚くくらいだ。

 ダッシュボードはメーターナセルの左右に各種スウィッチを配した、アウディ80およびクワトロ流。使い勝手はよくないと思うが、自分のクルマなら慣れるので問題ないだろう。

スバル車らしい質実剛健のコックピット。左右にスイッチをレイアウトするのが新鮮。バンドーネ製で世界初のCVTが採用されるのは1987年のこと
スバル車らしい質実剛健のコックピット。左右にスイッチをレイアウトするのが新鮮。バンドーネ製で世界初のCVTが採用されるのは1987年のこと

 シフトレバーの位置もよく、4WDはその大きなノブの上にトランスファーボタンがある。このノブを押すことで4WDとFWDの切り替えができる。このシステムは大いにいい。パートタイム4WDに長い歴史を持つメーカーならではの配慮だ。

 ただし、ジャスティはあまり広々としたクルマではない。特にヘッドルーム不足気味でリアにおいてそれが著しい。

 走りはどうだろう。新しいエンジンはよく回り、7000回転あたりまで許容できる。低速トルクもあり、1Lカーとしてとてもよいエンジンだと思う。

 けっしてスポーティとは思えないが、キビキビとよく走る。乗り心地はさすが4輪独立式サスペンションを採用しただけのことはある。スプリングもダンパーもけっこう硬いが、乗り心地はけっして悪くない。

 4WDは悪路走破性がかなり高い。雨の日の安定性はきわめて高く、それがもし雪であれば、FFとは決定的な差になる。いうまでもなく、ジャスティはパートタイム4WDなので、遅いスピードで急カーブを曲がろうとすると、引きずり現象を起こす。例えばUターンなどでは、リアが大きな抵抗になる。

 このことさえ頭に入れておけば、ジャスティはすばらしい4WDカーだ。それだけでなく、4WDとしての特異なハンドリングは、新しいカーマニアを満足させるだろう。安定感きわまりないコーナリング性能は、新しい時代のフィーリングといっていいだろう。

スリッピーな路面でハンドリングを試す徳さん。ある程度のスピードであれば、安全、安心面での効果は大きいことを確認し、独特なフィーリングと評した。またオフロードや雪道の安定性はリッターモデルのなかで群を抜くもの。雪国でのスバルの評価を確固たるものにした
スリッピーな路面でハンドリングを試す徳さん。ある程度のスピードであれば、安全、安心面での効果は大きいことを確認し、独特なフィーリングと評した。オフロードや雪道の安定性はリッターモデルのなかで群を抜くもの。雪国でのスバルの評価は確固たるものになる

◎ジャスティ4WD RS 3ドア主要諸元
全長:3535mm
全幅:1535mm
全高:1390mm
ホイールベース:2285mm
エンジン:直列3気筒SOHC
排気量:997cc
最高出力:63ps/6000rpm
最大トルク:8.5kgm/3600rpm
サスペンション:ストラット/ストラット
10モード燃費:17.4km/L(5MT)
車重:690kg
当時の価格:97万8000円
※グロス表記

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