2Lエンジンを搭載し、バリオルーフを搭載するマツダ ロードスターRF。なんとパワーが26psアップの184psへ進化。スペックだけ見るとすごく楽しそう!!
外観は変化なしでもエンジンの出力アップ、1100kgの車重とあいまって大きなマイナーチェンジになったようだ。RFを崇めるという清水草一氏はどう評価したのだろうか!?
文:清水草一/写真:池之平昌信
ベストカー2018年7月10日号
■ガサツさが解消!! 最高回転数も6800rpm→7500rpmに
NDこと4代目ロードスターは稀代の傑作。ただしこの絶賛は、主にソフトトップモデルに対するもので、バリオルーフのRFは魅力的だが微妙に邪道とみなされていた。
原因は、車重が約100㎏重いことと、RFに積まれた2Lエンジンのフィールが、1.5Lに比べると少しガサツな点にあった。素のロードスターがあまりにもピュアな美少女なので、相対的にRFが大味に感じたのです。
これはクルマ好きの間では共通の認識といえる。NCはRHT(リトラクタブル・ハード・トップ)登場後、そっちのほうが売れていたが、NDは現在も6:4くらいでソフトトップが優勢だという。エライ!!
だからというわけではなかろうが、マツダは今回、RFに大幅な改良を加えた。最大のポイントは2Lエンジンの改良だ。最高出力を従来の158馬力から184馬力にアップ!
最高回転数も6800rpmから7500rpmになり、それでいて低速トルクを太らせ、燃費までちょびっと改善しているというから凄い。ぶっちゃけ、2LNAで184馬力という数字は、大した高回転高出力型だ。アッパレであります。
乗った感じはというと、高回転域の伸びがまるで違う。なにせ最高回転数が700rpmも上がったんだから当然だが、以前は6000rpm以上回すと少し苦しそうになった印象だった。
しかし新しいRFはここぞとばかりにトップエンドの7500rpmまで突き抜ける! その時のパワー感もかなりのもので、これまでのロードスターにはなかった絶対的な速さのヨロコビがある。
繰り返すが、184馬力ですから。車重はMTで1100㎏。これが速くないわけなかろうて。
■「悪魔のZ」とでも呼びたい新型RF
RFのフォルムは、もともと初代フェアレディZに近いクラシカルな美しさがあったが、これだけパワーがあると、『湾岸ミッドナイト』に登場する”悪魔のZ”の雰囲気すら出てくるじゃないか。
うおおおお。鼻血ブー。
ただ、違いが明確なのは6000rpmから上で、そこまではそんなに変わりません。つまりフツーに乗ってれば、差はあんまりわかんない。
あくまでブチ回した時のパワーやフィールに差が出るのみなので、すでにRFをお持ちの方も、そんなにガックリすることはないです。
付け加えると、サウンドはマイチェン前のRFのほうがイイ。改良後のRFは、1・5との差別化もあって、軽快な音よりも力強い低音を目指したとのこと。欧米人はスポーティな低音が好きという事情もあるでしょう。
が、サウンドフェチの私が聞く限り、MC(マイナーチェンジ)前のほうが、中回転域までいろんな周波数音のシンフォニーが美しい。対する新型は音が単調!
6000rpmを超えるとシンフォニーになるけれど、そこまで回すことって滅多にないべ?つまり、フィールもパワーも、ブチ回せば断然新型がイイが、日常的に快感が味わえるのはむしろMC前のほうなのだ。
どっちを取るべきか迷いますなぁ。
そのほか今回のMCでは、ステアリングにテレスコピック機能が追加され、さらにポジションが取りやすくなった。加えてロードスター全車に自動ブレーキ(i-ACTIVSENSE)が標準装備!
もちろんMTモデルもでごわす。私のような中高年にとってこれはうれしい。相変わらずマツダは手を抜かないネ! パーフェクトを目指すこの姿勢、宗教の域であります。脱帽。
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