軽規格も登場確定!!? 注目の小型商用EV「ELEMO」最速公道試乗!!

■海外勢の脅威は軽商用車市場も同様

HW ELECTRO代表取締役 蕭偉城(ショウ・ウェイチェン)氏(写真左)。実用性の面から、超小型モビリティではないことがポイントだと語る
HW ELECTRO代表取締役 蕭偉城(ショウ・ウェイチェン)氏(写真左)。実用性の面から、超小型モビリティではないことがポイントだと語る

 軽商用車でも同じ状況になってきた。エレモはBMWやジャガーなどの開発や生産を請け負う『マグナ・シュタイアー』が設計を行い、中国で生産される。

 今のところプロトタイプの生産規模ということもあり量産効果出ていないから競争力のある価格と言えず、加えてヨーロッパ向けの車両をベースにしているため軽乗用車枠に入っていない。

 したがってすぐ脅威になることはないだろう。

 ただエレモのプロジェクトを進めている『HWE』に聞くと「間もなくボディのオーバーハングを短くした軽自動車仕様も提案できるようになると思っています。

 その次の段階で著名な日本人デザイナーのアドバイスを受け、価格もガソリン車と競合できるレベルにした日本専用車を計画しています」。

 相当ホンキな日本戦略を立てている。ということで試乗してみました。

■現時点では日本メーカー有利 しかしベンチャーならではの小回りで素早く改良していけば……?

内装はシンプルながら、シートデザインなどオシャレさもある。インパネまわりの質感はもう少し向上を期待したいところ
内装はシンプルながら、シートデザインなどオシャレさもある。インパネまわりの質感はもう少し向上を期待したいところ

 用意されていたのは『ボックス』(273万9000円)と呼ばれる金属の荷室スペースを搭載しているタイプ。荷室のない『フラットベッド』なら218万9000円となる。

 写真を見ていただければわかるとおり、さすがマグナのデザインとあって日本の軽商用車と雰囲気がまったく違う。オシャレです。

 4ナンバー登録のため衝突安全性など基準をクリアしているとのこと。

必要最低限の情報を表示する仕様のデジタルメーター。インパネ中央に搭載されている
必要最低限の情報を表示する仕様のデジタルメーター。インパネ中央に搭載されている

 運転席に座ると軽商用車より幅方向で100mmくらいタイト。

 エアコンは標準装備されている。ダイヤルタイプのセレクターでDレンジを選びアクセル踏むと、三菱自動車ミニキャブMiEVトラックの完成度に届かないものの、トヨタ・シーポッドのような超小型モビリティと同じくらいの仕上がりレベル。

 モーター出力32.6psとこれまた軽商用車に届かないが、街中を普通に走るなら充分かと。

エアコンも標準装備(取材時は酷暑だったがバッチリ利いた)。シフトセレクターはダイヤル式
エアコンも標準装備(取材時は酷暑だったがバッチリ利いた)。シフトセレクターはダイヤル式

 前述のとおり現在日本に入ってきている車両はプロトタイプ。

 ノンサーボとなるブレーキペダルのタッチなどを含め改良すべき点はいくつかあるが、手を加えていけば仕上がっていくことだろう。すでにダンパーは『RS-R』。

 ブレーキパッドも『エンドレス』を採用するなど着実に進化しているようだ。

 何より意欲のあるベンチャー企業、改良のスピードが驚くほど速い!

ブレーキブースターがないので、特性に合わせたパッドをエンドレスに特注している。サスペンションもRS-Rに特注している
ブレーキブースターがないので、特性に合わせたパッドをエンドレスに特注している。サスペンションもRS-Rに特注している

 軽商用車仕様が200万円を切り、やがて150万円を下回るような日本専用車も出てくれば(販売台数次第でさらに頒価は下げられるという)、5年後には有力プレイヤーに育っているかも。

 現時点で言えば圧倒的優位になる日本の自動車メーカーながら、こういった新興勢力のスピードとパワーに勝てるか?

 クルマ好きとしては魅力あるモデルが安く買えたら嬉しい。

2021年10月28日、オートバックスセブンは、HWエレクトロ社へ出資し、EV市場へ参入すると発表。全国のオートバックス店舗をELEMOの販売やメンテナンス拠点とし、関連商品・新規サービスの販売や共同開発で連携していくことを検討している
2021年10月28日、オートバックスセブンは、HWエレクトロ社へ出資し、EV市場へ参入すると発表。全国のオートバックス店舗をELEMOの販売やメンテナンス拠点とし、関連商品・新規サービスの販売や共同開発で連携していくことを検討している
ELEMO120&ELEMO200 主要諸元表
ELEMO120&ELEMO200 主要諸元表

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