今、自動車の刷新のベクトルはEVと自動運転に向いている。
乗用車でもさんざんレポートされているが、車両総重量が20t超の大型車の場合は、デカい分だけ実はかなりデリケート。
そして現在のリアルな技術は、このスーパーグレートで実現したレベル2だが、そのシステムに進化が加わったモデルを試乗!
※本稿は2021年8月のものです
文/末永高章(バスマガジン編集部) 写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2021年9月26日号
■進化した自動運転レベル2の大型トラックをついに体験!
巷を賑わせている自動運転。トラックの場合は大きく重く、そして商用車であることから乗用車よりも高いハードルがあるが、着々と技術が磨かれている。
三菱ふそうの大型トラック「スーパーグレート」の自動運転レベル2の車両は2019年末頃に発表され、すでに走っているが、今回はその進化版の試乗に案内された。
同車の自動運転システムは「アクティブ・ドライブ・アシスト」という名称を持つが、今回体験したものは2021年6月に発表された”2″であると紹介された。
この第2世代は、従来の追従型クルーズコントロールのシステムに、ステアリング制御による車線維持アシスト機能と、さらに「エマージェンシー・ストップ・アシスト」機能が搭載されたもの。
■自動的にカーブを曲がる
具体的にいうと、高速道路などの長距離クルージング時に設定速度で巡行、前車との車間保持、レーンキープされるところまでは従来型と同様。
この「アクティブ・ドライブ・アシスト2」では、さらにステアリングがカーブ時に自動的に曲がってくれる。
また、ドライバーがステアリングから手を離す、あるいは能動的な運転操作行動が認識されない場合にシステムが危険であると判断すると、警報音、警告表示がアナウンスされた後、車両を同一車線内で緊急停止させる。
その際にはライト点灯とクラクションで、周囲に非常停止であることを知らせる。
これまでのドライバーの負担を軽減するという能力に、安全強化の性能が加えられたというものだ。
試乗はGVW(車両総重量)25tの4軸車。
10676ccエンジンで394psを発生するスーパーグレートだ。三菱ふそうのトラックのトランスミッションは、シフトパイロットという12速AMTを搭載している。
もちろん2ペダルで、ステアリングコラムから伸びるバーのセレクターをカチッと指先で操作するだけで完了。
自動運転は速度設定に続き、ステアリングスポークにあるクルーズコントロールのスイッチ・オンで車両はスルスルと走り出す。
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