王者プリウスに挑む!! ホンダ渾身のクラリティPHEV その実力と懸念

 21世紀に入りハイブリッド車が爆発的に普及。2017年の車種別販売台数上位の顔ぶれを見てもアクア、プリウス、C-HR、ノートと軽自動車を除けば、どれもハイブリッド車をラインナップしているモデルだ。

 その盟主といえば、ご存じ1997年に誕生したトヨタのプリウス。同車は代を重ねるごとに人気を確かなものとし、4代目となる現行型も国産車有数のヒット車として君臨している。

 そうしたなかで“次世代のハイブリッド”として期待されているのが、「プラグインハイブリッド」だ。

 従来のハイブリッド車がガソリンを動力源にエンジン・モーターを駆動するのに対し、プラグインハイブリッドでは家庭用電源からプラグを用いて直接充電した電気を動力源にすることも可能。プリウスもこのPHVを現行型では大幅に性能アップさせ、主力のバリエーションに据えることを目論む。

 そのプリウス、三菱のアウトランダーPHEVに次ぎ、国産3番目のプラグインハイブリッド車として、ホンダが送り出したのがクラリティPHEVだ。

 打倒トヨタ&プリウスを誓うホンダ渾身のニューカー、実際に走らせてわかったその実力と懸念とは?

文:鈴木直也
写真:平野陽
ベストカー 2018年8月26日号


国産ではプリウス、アウトランダーに次ぐPHEV

先に発売されていた燃料電池車のクラリティFCがリース販売のみなのに対し、一般向けにも販売をおこなうクラリティPHEV。外観はFCと基本を同一としたイメージだ

 クラリティはFCV(燃料電池車)がすでにリース販売されているが、2018年7月19日に登場したPHEV(プラグインハイブリッド)仕様は一般ユーザー向け市販車。

 トヨタ プリウス、三菱 アウトランダーPHEVに続く第3の国産プラグインハイブリッド車登場となる。

 最後発となるだけに狙いは明確。電動車として効率トップを獲るのが目標だ。

 エンジンはこの3車のなかで最も小さい1.5Lだが、バッテリー容量は17kWhと最大。駆動モーターは最高出力184ps/最大トルク32.1㎏mながら、パワーコントロールユニットの出力を強化して、WLTCモードのEV航続距離は101km、EV最高速は160km/hと、ともに3車のなかではダントツを誇る。

気になる走りはリーフを凌ぐ実力

EV走行距離は新基準のWLTCモードで101.0km。同68.2kmのプリウスPHVを上回る性能を誇る

 走りっぷりは、バッテリーが極端に減ってさえいなければほぼEV。

 パワーコントロールユニットの給電能力が高いためか、レスポンスがよくパワフルで、EVとしてのドライバビリティは日産 リーフ以上に魅力的だ。

 試乗したのは伊豆サイクルスポーツセンターの周回路だが、シャシーの出来がいいものだからつい平均速度が上がって最後はアタック状態。PHEVとしては抜群にファン・トゥ・ドライブなことは間違いない。

 エンジンがかかった時のドライバビリティも心地よいものがある。熱効率40.5%を誇るこのアトキンソンサイクルエンジンは、意外やスムーズかつスポーティ。

 もちろん、ノイズは高まるのだが、それがあまり不快ではなく、「おぉ、気持ちよく回ってるなぁ」という感じなのだ。

 唯一残念なのは588万600円という価格。北米ではエントリー3万3400ドル(1ドル113円換算で約380万円)から買える。

 いいクルマなだけに、この不可解な価格戦略が惜しまれる。

◆  ◆  ◆

 購入時は補助金もあるが、20万円と焼け石に水。ちなみにプリウスPHVの車両本体価格は332万円5320円から、アウトランダーPHEVは同393万9840円から。どうしてこうなったクラリティPHEV……。

クラリティPHEVのインパネ。最近のホンダ車に共通する意匠のなかに近未来的な雰囲気も漂わせるデザイン。トランスミッション選択はレバーではなくボタン式だ

室内は前席2人、後席3人の計5人乗り。トヨタ MIRAIが後席を2人掛けとしたのに対し、クラリティはFC、PHEVともオーソドックスな3人掛けとしているのも特徴だ

■ホンダ クラリティPHEV/主要諸元
全長×全幅×全高:4915×1875×1480mm
ホイールベース:2750mm
車重:1850kg
パワーユニット:直列4気筒DOHC、1496cc+モーター
エンジン最高出力:105ps/5500rpm
エンジン最大トルク:13.7kgm/5500rpm
モーター最高出力:184ps/5000-6000rpm
モーター最大トルク:32.1kgm/0-2000rpm
WLTC 8モード燃費:24.2km/L
価格:588万600円(※購入に際しクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金が20万円出ます)

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