キャプチャーHVの長所は「走りと燃費」
◆長所1/ダイレクトかつスムーズで、加速感も爽快
筆者はそれほど気にしていないが、特にトヨタの2モーターハイブリッドでは「アクセルを深く踏んだ際に、エンジン回転だけが先に上がってスピードは後からついてくる」、俗にラバーバンドフィールと呼ばれる加速感を、改良が進んだ今でも受け入れられない人が少なからずいるようだ。
ところがドグクラッチミッション付ということもあり、キャプチャーを含めたルノーE-TECHハイブリッドの加速感は、いつでもアクセル操作に対しダイレクトで、絶対的な加速感もなかなか速く爽快だ。
また、ドグクラッチミッションというとレーシングカーやバイクで使われるものだけに「変速ショックがありそう」と懸念する人もいるかもしれない。この点もショックを感じることはまったくないどころか、変速したことすらわかるのは「たまに」というくらいスムーズだ。
さらに、バッテリー残量にもよるが、全体的に発進時をはじめEV走行の頻度が多い点も印象的だった。
◆長所2/良好な燃費
筆者がキャプチャーハイブリッドに試乗した際の燃費は常時20km/Lオーバーと、キャプチャー同士での1.2Lターボに対するハイブリッド化による燃費向上も35%程度が期待できるなど、燃費も納得できる。
また、ルノーのE-TECHハイブリッドは、ディーゼルエンジンの代替というポジションやドグクラッチミッション付ということもあり、国産メーカーのハイブリッド車では苦手なモデルもある、新東名などの制限速度120km/h区間でも燃費の低下が少なそう点もヨーロッパ車らしい。
唯一の「もう一歩」はブレーキフィール?
いっぽう改善点をあげるなら、ブレーキフィールに違和感を覚えることがあった。
具体的にはブレーキペダルを踏んだ際にちょっとスポンジーなフィーリングを伴いながら、イメージより減速感が大きいことがあった。
ただ、この点は同じE-TECHハイブリッドを使うアルカナやルーテシアでは感じなかったので、キャプチャーE-TECHハイブリッドあるいは筆者が乗った試乗車固有の問題だった可能性もある。
◆ ◆ ◆
キャプチャーを含めたルノーのE-TECHハイブリッドは、初物ながら驚くほど完成度が高い。ただ、日本において輸入車は趣味のクルマだけに、ルノーも含め輸入車ユーザーは純エンジン車(キャプチャーなら1.2Lターボ車)に魅力を感じる人もいるだろう。
それでもE-TECHハイブリッドの動力性能や燃費が改良により向上してくると、エンジンの生き残りという面で強い武器となりそうなだけに、今後の成長が非常に楽しみだ。
(文/永田恵一)
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コメント
コメントの使い方国産HVみたいにかったるいCVTじゃないのは大いに評価できる。
いや燃費でもフィーリングでも国産に負けてるんかい!
逆だと「国産もいい加減並び立って貰いたいものだ」と散々書かれてきたのに、輸入車にだけ甘すぎやしませんか