画期的エンジンは走りも画期的なのか?
このKR20DDETが搭載されているモデルとなるQX50は、日本のスカイラインクロスオーバーの後継にあたる。それこそ以前であれば3.5~3.7LのV6ユニットが普通に搭載されていたモデルだが、その動力性能については驚くほど違和感はない。
パーシャルから全開までさまざまな負荷を試してみたが、その力感は確かに3.5Lクラスに比肩しうるもので、日本販売モデルでいえばエルグランドあたりでも充分活発に走らせることができそうだ。回転フィールに段付き感などもなく、6000rpm付近までとはいえ、高回転側もスッキリと回ってくれる。
一方で気になることもあった。メーター内のインジケーターで確認する限り、圧縮比は想像を遥かに上回るほど機敏かつ頻繁に可変していることになるが、半面、この特性では高圧縮のリーンな領域を積極的に多用するというスロットルワークが難しいことにもなる。
つまり、実効的な燃費運転に繋がりにくいという点は開発陣も認識しており、今後はエンジンへの攻撃性を勘案しながら制御マップの更なる緻密化も必要になるだろう。
それにしても今回は、この可変圧縮比エンジンを搭載するQX50そのものの出来のよさにもちょっと嫉妬させられた。数が見込めないという判断での日本未導入であれば、それはもったいない話だ。
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気になるQX50の日本導入については、本文でも触れられているとおり難しいとの見方が強い。日産の日本販売ラインナップのなかでは、2019年末〜2020年初頭に登場予定の次期エクストレイルへの搭載が有力か。もし、そうなればQX50以上にパワフルな走りと優れた燃費が期待できるだけに、今後の動向に注目だ!
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