■ランクル300とは別物! LXの走りに感激!!
運転席に乗りこみ、エンジン始動。スタートボタンは指紋認証になっている。
V6、3.5Lガソリンツインターボは瞬時に目ざめる。10速ATはDレンジを選択。さらにドライブモードのダイヤルやトランスファーのスイッチなどをチェックして、走りはじめる。
実は、走りはじめるまでに不安要素があった。以前、LXのベースモデルであるランクルGXに試乗したとき、そのサスペンションセッティングや走行性能に関して、未完成と思えるポイントがいくつかあった。LXもそれを受け継いでいるのだろうか、という思いだった。
しかし、その思いは見事に裏切られた。ノーマルモードで走りはじめたが、そのサスセッティングは、落ち着きがあり、乗り心地もゴツゴツとした感じがない。ノーズダイブが気になったブレーキング時の動きも、きちんと抑えられているのだ。
これは、試乗したあとに、別の機会にLXのチーフエンジニアと話しをしたときにわかったのだが、ランクル300を発売したときは、開発途中の項目がいくつかあったという。レクサスLXの発売にあたり、その部分の煮つめをやったというのだ。
この言葉はランクルユーザーにはショックだが、LXの足回りのチューニングはかなりハイレベルに仕上がっている。
高速走行でも、安定感は素晴らしい。時速100キロ時のエンジン回転数はDレンジ10速で1200回転。このとき、室内は本当に静か。トルクは1800回転から盛り上がるのだが、アクセルオンで8速1800回転にダウンし、加速を開始する。LXの10速ATは、パドルレバーも備わり、オフロードでのスポーティ走行ではマニュアル操作を手もとで行なうことができる。一方、Dレンジ60km/h走行は7速1300回転から。Dレンジでの0→100km/h加速は6秒台後半という成績だった。
ちなみにマニュアルモードで各ギアで5000回転まで引っぱると、1速45、2速75、3速で100キロに達してしまう。ここから先は日本では非公開の領域。
タイヤはダンロップのグラントレックAT23、265/65R18を装着していたが、このタイヤもなかなかいい仕事をしていた。
ドライブモードはエコ/コンフォート/ノーマル/スポーツ/スポーツ+/カスタムが設定されている。スポーツ/スポーツ+モードを選択すると、オーディオ用スピーカーからアクセル開度やトルクに応じたスポーティなエンジンサウンドが演出されているのも、高級SUVらしい装置。それ以外のモードではアクティブノイズコントロールにより、スピーカーからこもり音制御音波が出力され、エンジン系と吸排気系のこもり音が低減される。
■オンロードだけじゃない! オフロード装備も充実であらゆる道を優雅に
今回の試乗では本格的なオフロードコースは走ることができなかった。オート/ダート/サンド/マッド/ディーブスノー/ロックという6つのマルチテレインセレクトは、大半をオートで走った。当然、L4レンジも使用しなかった。
しかし、オフロードグレード用に設定されたフロント/センター/リアの3つのデフロック(標準装備)を駆使すれば、高級SUVに似つかわしくないようなオフロード路も難なく走破できるに違いない。
そのようなシーンでは車両の周辺の状況を4つのカメラでサポートするマルチテレインモニターも役立つはずだ。
おそらく、日本のLXユーザーの大半は、エグゼクティブかノーマルグレードを購入すると思われるが、世界の市場では、裕福な、冒険心あふれるユーザーは、このオフロードグレードに目をつけるに違いない。そして、このクルマが世界の強豪オフロードSUVのどれよりも優れた走破性と快適性を有していることに満足するはずだ。
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※レクサスLXは、先般からの半導体不足や部品流通の不安定化、世界中からの受注集中を受けて、現時点(2023年2月上旬)で、受注を停止しております。そうした時期に試乗記事を展開する可否について編集部で議論しましたが、レクサスLXの車両としての魅力を伝え、一刻も早い受注再開を願うことも含めて、本記事を公開することにいたしました。重ねて、一刻も早いレクサスLXの国内受注再開と、納期の平準化、短縮化を願います(ベストカーWeb編集部一同)。
【画像ギャラリー】ブラックのグリルが際立つ!! 力強い走破性を感じさせるレクサスLX オフロード(16枚)画像ギャラリー
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