最高の柔らか足に51.0kgmの高トルクをガチオフロードで試す!! 再再販のランクル70が歴代イチといえるワケ

最高の柔らか足に51.0kgmの高トルクをガチオフロードで試す!! 再再販のランクル70が歴代イチといえるワケ

 2023年11月に復活をはたしたトヨタ ランドクルーザー70。2014年の復活では期間限定車という位置付けだったが、今回はカタログモデルとしての登場だ。オフロードでの試乗をとおして、ランクル70の劇的進化を堪能する!!

※本稿は2024年1月のものです
文/ベストカー編集部、写真/TOYOTA、ベストカー編集部、撮影/森山良雄
初出:『ベストカー』2024年2月10日号

■ランクル70を極悪路で体感

2023年11月に発売されるやいなや、瞬く間に入手困難となったトヨタ ランドクルーザー70
2023年11月に発売されるやいなや、瞬く間に入手困難となったトヨタ ランドクルーザー70

 2023年11月末の発売と同時に抽選の申し込みが始まると、瞬く間に入手困難の人気車として知られるようになったランドクルーザー70。Web上にも悲喜こもごものコメントがあふれたが、我々は早くもオフロードで試乗する機会を得た。

 試乗車はAXグレードの白。といっても今回は1車型1グレード3色の設定なのでモデルの違いは色でしかない。エンジンはプラド譲りの2.8L直4ディーゼルエンジンのみ。ミッションもプラドと同じギア比の6速ATが与えられている。

 試乗は愛知県のオフロードコース、さなげアドベンチャーフィールドで行った。

 アップダウンの激しい場所なので走り出す前にトランスファーレバーを「L」に入れる。

 これは日常的に使う6速(ハイレンジ)を丸ごとローギアード化して極悪路をゆっくりトルクフルに走れるようにする機能なので、このクルマは6速ギアにハイ・ロー2速を掛け合わせ、合計12速のミッションを備えていると考えてもらっていい。

 走り出すと、車内の揺れがこれまでのナナマルとずいぶん違うことに気が付く。リアのリーフリジッドサスペンションが想像以上にしなやかで凹凸路面へのアタリが柔らかい。

 もともとバン登録だったナナマルは荷室に重い荷物を積むことを前提に造られていたが、今回ワゴン登録とするにあたり、リアスプリングのバネレートや形をパッセンジャー優先で煮詰めてきた。これが……凹凸の激しいオフロードにほどよくマッチする。

 フロントは車軸式コイルスプリングのサスだが、前後とも空荷のままよく伸びよく縮み、土や砂利の路面を柔らかくしなやかにトレースしてくれる。

 また、前後デフのギア比がプラドよりローギアード化されたことにより、より低い速度で走れるようにもなっていた。

エンジンは204ps/51.0kgmを発揮する2.8L直4直噴ディーゼルターボ(1GD-FTV)。燃料タンク容量は130L
エンジンは204ps/51.0kgmを発揮する2.8L直4直噴ディーゼルターボ(1GD-FTV)。燃料タンク容量は130L

 エンジンも扱いやすい。最大トルク500Nm(51.0kgm)はナナマル史上最高の値だが、これを1600rpmという低回転域から幅広く発生してくれるため、見上げるようなヒルクライムでも2.3トンからなる車体を軽々と運び上げてくれた。

 そして凹凸の激しい岩場でもクリープ現象プラスαのアクセルワークで充分トルクフルに、安全に走り抜けてくれた。

 新たに装備されたアクティブトラクションコントロールの効きもよく、ほとんどの難所を電子的なブレーキ制御だけで難なく走り抜けてくれたが、激しい対角線スタックが連続するような極悪セクションでは伝家の宝刀「前後デフロック」が強力無比なサポートをしてくれた。

 ほかにもダウンヒルアシストコントロール、ヒルスタートアシストコントロールなど、悪路で役に立つ機能がたくさんあるが、このあたりはベストカーWebの動画をご覧いただけたらと思う。

 正直、ナナマルに多くの快適性を望んでいなかったが、凹凸路をこれだけしなやかに、トルクフルに走れる総合力は歴代ナナマル随一と言っていいと思う。

 そしてオンロードこそ試乗していないが、ファミリーカーとして充分に通用する素養も感じた。このクルマが可能な限り多くの人に行き渡ってくれることを願うばかりだ。

次ページは : ■時代に合わせて進化を遂げたランクル70

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