川畑トライトンはブレーキバランスを追求
三菱の技術協力で進化したのはこれだけではない。D1王者でもある川畑選手は「ブレーキングで姿勢をコントロールできる」マシンを好む。そのためラリー北海道ではサスペンションをオーバーホールに合わせて仕様変更し、さらにブレーキ制御の最適化を行って参戦した。
「サブCPUのマッチングトラブルでパワーは出ませんでしたが、前戦から変更した部分は狙いどおり。よりハードな足回りやブレーキ制御の見直しで、非常に乗りやすくなりました。さらに速さを追求していきたいですね」
次戦は来年となる川畑選手だが、課題が明確になったことで表彰台へのモチベーションはさらに高まった。
竹岡“モモ//トン”の秘密兵器はまさかのシュノーケル!?
一方の竹岡圭選手が駆る“モモ//トン”は外観からして違いがあった。そう、Aピラーに装着されたシュノーケルだ。
「水の中でも走るの?」とみんなから言われると竹岡選手が冗談めかして語ったこの装備、実は酷暑対策。エンジンルームの熱の影響を受けずにより冷たい空気を取り込むため、地表から離れた位置で吸気する目的で装着されたのだ。
結果的に三菱開発陣のデータでも、シュノーケルの有無による吸気温度の低下の効果が確認されたそうだ。
世界に通じる! ラリーで鍛えられた三菱トライトンの“強さ”
「今年のラリー北海道はとにかく道が荒れていた」――竹岡圭選手だけでなく、他の参戦ドライバーからもそんな声があがったほどの過酷なコンディション。その中を駆け抜けた2台の三菱「トライトン」は、昨年に続いて大きな構造トラブルを起こすことなく完走を果たした。
この安定感は、パリ・ダカール・ラリーなど、過酷な舞台で戦い続けてきた三菱が長年培ってきた技術力の賜物といえる。
日本ではあまり実感がわきにくいかもしれないが、海外では道中でクルマが故障して動けなくなれば、命の危険に直結するケースもある。だからこそ、どんな環境でも走り切れる頑丈さ、タフさ、そして絶対的な信頼性こそが重要になるのだ。
ラリー北海道を通じて、改めてトライトンが持つ“本物の強さ”を証明したといえるだろう。
トライトンは“懐の深い”ピックアップトラック!
市販車では小型貨物として扱われるピックアップトラックだが、XCRやAXCRを通じて見えてきたのは、トライトンが持つ多彩なチューニングポテンシャル。荷物を積んでもよし、スポーツ走行を楽しんでもよし。まさに懐の深い一台である。
今回XCRクラスに参戦している2台のように走りを追求するだけでなく、サードパーティから多数リリースされているカスタムパーツを組み合わせて、見た目も自分好みの一台に仕上げることができることがトライトンのもうひとつの魅力だ。
すでにオーナーの方も、これから購入を検討している方も、ぜひラリーを通じて進化し続ける三菱トライトンに注目してもらいたい。




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