■災害救助車を支える心強いタイヤ
この取り組みに初期(2020年1月)から「タイヤ提供」というかたちで携わっているのがトーヨータイヤ。前述のとおり、2台用意されたアウトランダーPHEVには高いマッドロード走破性を持つオフロード用タイヤ「オープンカントリーR/T」を提供。
そして今回新たに(初号機と入れ替えのかたちで)「3号機」としてエクリプス クロスPHEVが導入され、同じくトーヨータイヤから提供されたのは、話題のオールシーズンタイヤ「CELSIUS(セルシアス)」。
タイヤ関連情報に馴染みない方のために簡単に解説すると、近年、各タイヤメーカーがそろって力を入れているのがオールシーズンタイヤ。雪道を走るのに適したスタッドレスタイヤと一般路を走る夏タイヤの中間に位置しており、突然の降雪でも安心感が高く、ノイズを抑えて乗り心地にも配慮されており、一年を通して使用できて経済性もよい。
国土の2/3で雪が降る日本でクルマを持っていると、どうしてもスタッドレスタイヤが必要になってくるが、オールシーズンタイヤを履いていれば一年間安心して乗り続けることができるわけだ。
「CELSIUS(セルシアス)」の最大の特徴は、トレッドに「左右非対称パターン」を採用している点。分かりやすくいうと、前後のパターンは同じだけどボディのイン側とアウト側のパターンは異なる。
これには、イン側でスノー性能を確保しアウト側でドライ・ウェット性能を確保する狙いがあって、高い次元で「冬用」と「春・夏・秋用」の性能を兼ね備えている。
またこれにより左右のタイヤローテーションが可能となり(他社のオールシーズンタイヤはワンウェイパターンを採用しており、これができない)、段差摩耗・偏摩耗を抑制することができる。
これもざっくりいうと、タイヤの寿命が(すくなくとも普通の夏タイヤなみに)伸ばせるということ。
経済性を重視する個人ユーザーにとってもうれしいが、社用車として使う企業や、昨今増えてきたカーシェア需要などにもマッチした性能といえる。
一部繰り返しとなるが、その、走破性と経済性を両立させ、突然の降雪にも対応できる「CELSIUS(セルシアス)」が「NERV」3号機に提供され、装着されているわけだ。
「もともと自分の会社(「ゲヒルン」)は情報セキュリティの会社で、いまは情報セキュリティ部門で稼いだお金を防災部門に投資している状況です。赤字ですね。いずれは防災部門も自立したいなと思っているので、応援してくださる企業さんはありがたいです」
と、代表の石森氏。
取り組みの志(こころざし)が高いことは間違いなく、当編集部も応援したいです。「何が一番うれしいですか」と伺うと、「アプリ入れてください」とのこと。本企画担当者も自分のスマホに入れました。
合わせて、車両提供の三菱自動車、タイヤ提供のトーヨータイヤにも、その応援する心意気にエールを送りたい。
【画像ギャラリー】NERV仕様のアウトランダーPHEVとエクリプス クロス PHEVがカッコいいのと非常食の写真「おかわり」


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