さらに完成度を高めた第2世代e-POWER
試乗したのはFWD。1260kgの車重に対し、想像以上の力強さを発揮するモーターのおかげで、オーラはシチュエーションを選ばず、いつでも、どこからでもスムーズに加速する。シームレスな加減速は100%モーター駆動のEVそのもの。日産のe-POWERがハイブリッドと距離を取っているのも、この加減速のスムーズさにプライドを持っているからだろう。
オーラは3つのドライブモードを備えるが、デフォルトで入るECOモードは、名前はECOなれど、ECOと思うなかれ。普段(上り坂も下り坂も多人数乗車時も)はこれに入れっぱなしでOKだ。
山道などで活発な走りを楽しみたい時には「SPORT」を選ぼう。ワインディングロードでの撮影中に試してみると、アクセルのオンオフ操作に対する反応が明らかに鋭くなって、運転がうまくなったように感じ、モーター駆動の魅力を味わい尽くすことができた。カメラマンからOKが出ても走り続けて呆れられたが、彼だって乗ればこうなったはずだ。
穏やかに走らせている間はもちろんのこと、活発に走らせても静粛性が高いのには驚いた。同クラスの国産コンパクトカーのレベルを突き抜けて静かだ。ピュアEVじゃないので必要に応じてエンジンはかかる。その際に聞こえてくるエンジン音は、遮音性の高いガラスを採用し、人がうるさく不快に感じる周波数の音がきちんとカットされているほか、エンジン音を感じやすい低速時にはエンジン回転数を落とす制御が働き、日産のこだわりが体感できる。
そして日産自慢の運転支援システムのプロパイロットも当然設定される。ナビリンク付となって、ルート上の制限速度が変わった際の設定速度自動変更やカーブ手前での自動的な減速が可能となった。またインテリジェントエマージェンシーブレーキ、2台前の車両の急減速も検知する前方衝突予測警報、後側方衝突防止支援システムなどを軸とした360°セーフティアシスト(フル装備で全車標準)によって、予防安全性能も最先端を行く。
サトシが驚いた! AURAの音のこだわり
新型オーラにはBOSEパーソナルプラスサウンドシステムがメーカーオプション設定される。日産車とBOSEオーディオのコンビネーションは長いヒストリーを持つ。
多くの車種で、まだ車両のデザインも定まっていない開発初期段階からBOSEのエンジニアが深く関わり、開発を進めるのはこの業界では有名なハナシだ。これまでは高級車への設定が中心だったが、ついにコンパクトカーでのコラボが実現した。
単にスピーカー数を増やすのではなく(といっても8スピーカー)、左右前席のヘッドレスト両側にスピーカーを仕込むことで、これまでにない音の広がりを実現しただけでなく、音楽のジャンルなどによって、好みの音の広がり方を11段階から選べる。
自分の目の前でヴォーカルが歌っているかのようなリアルさから、オーケストラの演奏家たちが自分を囲んでいるかのような音の広がりまで楽しむことができる。
上質なインテリアと高い遮音性が実現したプレミアム体験、搭載されるコネクト機能を使えばドライブの楽しみが何倍にも広がる。
日産はこの上級コンパクト、オーラのターゲットを輸入車ユーザーやダウンサイザーと想定しているが、そうした層のみにとどまらず、スポーティーな走り、経済性、先進性、ラグジュアリー性、そして安全性と、コンパクトな車体であらゆる要求に応える懐の深い一台だと言えよう。
今回430kmほど試乗したがトータル燃費は21.8km/L。上質でパワフルな走りで、こんなに走るのか!! と感心した。
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