「おすすめのスタッドレスはなに?」と聞かれることが多いベストカー編集部員。毎年複数のスタッドレスタイヤを試す機会があるのだが、近年は各社ともに性能がグングン上がっており、まさにスタッドレス戦国時代。
しかしそんななかでもベストカー編集局の2名の「鉄ちゃん」が北海道での撮り鉄を通じて「2021年のおすすめスタッドレス」として認定できるタイヤを見つけちゃいました。詳細なレポートとともに自慢の「鉄道写真」も合わせて公開しちゃいます(なんの記事だ!?)。
さらには雪国育ちの自動車ジャーナリスト、伊藤梓氏がスタッドレスタイヤで気を付けるべきポイントを徹底解説。超タメになるおすすめスタッドレスタイヤの記事をご覧ください。
文:ベストカー編集部(梅木、塩川)、伊藤梓/写真:横浜ゴム、ベストカー編集部/イラスト:伊藤梓【PR】
【画像ギャラリー】ラッセル車に気動車も!! 冬の「撮り鉄」にはアイスガード7だ(16枚)画像ギャラリー■北海道の厳しい雪道でもおすすめのスタッドレス
実を言うと、クルマと同じくらい鉄道が好きだ。乗り鉄でもあり、撮り鉄でもある。鉄道写真を撮りに行く際はなるべく鉄道を利用して現地に行くのだが、冬場の北海道だと移動の利便性はもちろんのこと、天候の急変に対し、身の安全を確保するという意味でもレンタカーを活用することが多くなる。
レンタカーを借りるとまず確認するのがタイヤだ。スタッドレスタイヤのトレッド状態の確認はもちろん、製造時期や銘柄の確認も忘れない。どんな性能のタイヤなのか、経年劣化は大丈夫か? などを知っておくためだ。
走り始めたなら、後続車がいないことや周囲の安全を十分に確認したうえで「強めの加速」、そして「強めのブレーキ」をしてみる。路面の状態と、タイヤのグリップ性能を体感するためだ。これは、路面状況や天候の変化に応じて常にリセットが必要なので、しばしば実施する。もちろん、周囲の安全確認が大前提。
今回は横浜ゴムが今シーズンに向けて渾身のフルモデルチェンジをして送り込んだ『アイスガード7』の新品が装着されているので安心感は高い。見た瞬間に新しさを感じさせる、左右非対称パターンのイン側に刻まれたラグ溝がいかにもスノー路で効きそうだし、新素材の吸水スーパーゲルやマイクロエッジスティックを配合したウルトラ吸水ゴムによる氷上の水膜除去性能の向上で、アイス性能にも期待できる。
試乗で訪れた2021年2月の旭川周辺の道路は、バラエティに富んでいる。訪れた際は晴天が数日続いていたようで、国道は除雪されてアスファルトが見えている区間もあるが、路肩に寄せられた雪が融け出し路面を濡らしている場所もある。
日陰になる場所では、夜間の冷え込みで凍結したアイスバーンもある。その一方で、市街地でもわき道に入れば圧雪で、交差点前などはツルツルのミラーバーン。そして、ちょっと山間部へと進めば、いかにも北海道らしい全面圧雪路となる。鉄道写真の撮影ポイントに向かうには、ほぼすべてのコンディションの路面を走ることになる。
そんな中、撮影ポイントに向けて走り出したのだが、圧雪路での制動に不安を感じることはない。ペダルの踏み加減に応じ、確実に減速感が立ち上がり、簡単にグリップを失うことはない。
操舵に対する反応もよく、深いコーナーに対し多きく打を切りこむような場面でも急にグリップが抜けるようなことはなく、滑り出しの感覚が掴みやすく、接地感がしっかりと伝わってくる。撮影地に向かう最終アプローチの山道も気持ちよく走ることができた。
途中、国道の交差点前で路面が黒く見える、いわゆるブラックアイスを発見した。最も滑るミラーバーンだ。慎重にブレーキペダルを踏み込んでいくが、想像以上の減速感に安心する。もちろん、“ドン”とブレーキを踏めばABSが盛大に作動するが、ジワリジワリと踏み込んでいけばしっかりとミラーバーンを捉えて減速する。
のちにテストコースで確認すると、30㎞/hからのフル制動で『アイスガード6』に対して約2.5m手前で止まることができたのだから、その性能がハッキリと体感できたのは当然だったわけ。接地面積を大きくしたいアイス性能と、エッジ成分の増大によるスノー性能の引き上げは、相反する技術的要素のため両立が難しいのだが、アイスガード7は高いレベルでの両立を実現しているのだ。
(文/ベストカー編集部 ウメキ)
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