操安フィールに関しては、従来型のmpZと新製品のmp7はよく似たキャラクターで、手応えの確かな操舵フィールと上質な乗り味が共存しているのが共通する美点といえる。
ただし、タイヤのグリップ限界近くまで追い込んでみると、ドライはほぼ互角ながらウェットではmp7の圧勝。そのへんはウェット路面でダブルレーンチェンジを試すと一目瞭然なのだが、mpZの限界速度をmp7なら鼻歌まじりで通過できるくらいの差がある。
できれば遭遇したくはないけれど、家族旅行の最中の雨の高速道路で限界に近い緊急回避を強いられるようなシーンを想像すると、mp7の安心感は絶大と感じた。
それにしても、ドライでの乗り心地やハンドリングのバランスの良さに加えて、ウェットでもここまで抜きん出たグリップ性能を備えているとは、mp7の進化の大きさには正直ビックリ。
最近のタイヤ選びは転がり性能を重視したエコタイヤが主流だが、大事な家族を乗せる機会が多いミニバンをエコ性能だけで選ぶのは考えもの。快適性を左右する乗り心地や、安全性に関わるウェットグリップなどにも、大いにこだわるべきだと思う。
ちなみに、今回はJARIで転がり抵抗テストも実施したのだが、転がり抵抗よりグリップ重視のイメージがあるmp7は、テストして見ると従来モデルのmpZよりむしろ上。エコ性能にもきちんと配慮されている。
さすがミニバン専用タイヤの先駆者だけはある。それを実感したトランパスmp7のテストでした。