今季注目のスタッドレスタイヤといえば横浜ゴムのiceGUARD7を思い浮かべる人も多いだろう。雪上性能はもちろんのこと「アイスガード」の製品名が物語るように氷上性能も突き詰めたスタッドレスタイヤだ。
そんなアイスガードを陰で支えるのが横浜ゴムが誇る北海道の屋内氷盤試験場。実はこの試験場は一定の氷温を保てる日本のタイヤメーカーでは初採用の超ハイテク設備だ。
今回は最強スタッドレスタイヤを育てる環境を深堀りしていこう!!
文:飯田裕子/写真:横浜ゴム【PR】
■アイスガードが歩んできた道は日本最高峰のタイヤ技術の統合だ
2020年11月から横浜ゴムの冬タイヤ開発がさらに進化。あらゆるタイヤ開発技術の進歩がタイヤそのものの進化に繋がることは想像できるだろう。今回注目したいのはタイヤ試験設備。一つの開発設備が一本のタイヤそのものの洗練と進化に繋がる、実に興味深い体験ができた。
昨年の冬、横浜ゴムは日本のタイヤメーカーでは初採用となる冷媒装置を屋内氷盤試験場内に導入。新世代のスタッドレスタイヤ「iceGUARD 7(アイスガード セブン)」の性能が向上していることは言うまでもないが、テスト施設の進化によって最終スペックの決定に至る開発の質も速度も高められたという。
つまり我々ユーザーにとってはより確実に性能が向上した高品質なスタッドレスタイヤを手に入れることができることに繋がっていると言えるだろう。
1985年に「GUADEX(ガーデックス)」という名で登場した横浜ゴムのスタッドレスタイヤは2002年に名称を現在の「iceGURAD」へと変更。この秋に登場した「iceGUARD 7(アイスガード セブン)」がその名の通り同社にとって第7世代となる。
新世代スタッドレスタイヤは従来の製品に対し氷上の制動性能が14%、雪上制動性能も3%向上。その他の性能においても燃費性能、ウェットやドライ路面での走行性能、静粛性や耐摩耗性能など全方位に効果的に“効く”性能を併せ持つ。
主な特徴はアイスガード史上最大といわれる接地面積やブロック剛性、そしてエッヂ量の大幅増加。さらに新開発技術にも注目だ。
氷上の水膜を効率よく排水する効果を発揮する“ダブルエッヂマイクログルーブ(グルーブ=タイヤが路面と接触するゴム面に刻まれた溝)”や、タイヤが50%摩耗するとサイプ(タイヤの接地面に刻まれた細かい溝)が太くなるという“クワトロピラミッド グロウインサイプ”がタイヤ摩耗時のエッヂ効果を保ち氷上性能を維持しやすくなった。
そしてそれらの性能を支えるのが“ウルトラ吸水ゴム”と呼ぶiceGUARD7専用のゴムが新開発されていることだ。このゴムも新マイクロ吸水バルーンや吸水スーパーゲル、氷や雪を噛む効果を発揮するマイクロエッヂスティックetc、使用する原料もその配合技術も進化。新たな配合物や、iceGUARD史上最大という接地面積などもどう活かすかで性能は変わるというもの。だから試験は繰り返される。
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