関東から中部地方のクルマ好きにとって、女神湖は“冬の聖地”といってもいい存在だ。冬季にはクルマを走らせるに十分なほど湖面が厚く氷結。最盛期には毎日といっていいくらい各種走行会が行われている。
今回「ベストカー」のファンクラブ的組織である「ベストカーClub」で、女神湖を1日借りて氷上走行会を開催した。超低μ路面で楽しく安全にドライビングスキルを磨きつつ、東京の編集部からいろんなクルマに乗って女神湖を目指しながらその過程のドライブでさまざまな実力チェックを実施するイベントだ。
たとえば、今回ぼくが乗ったクルマは、三菱自動車製SUVの3台。往路+氷上がエクリプスクロスPHEV、復路+氷上がアウトランダーPHEV、そして女神湖周辺のワインディングでデリカD:5試乗というメニュー。まさに、三菱製4WDのイッキ乗りだったが、3車それぞれに個性があってじつに興味深いものがあった。
文/鈴木直也、写真/池之平昌信
■悪路でもコントローラブルなところがエクリプスクロスPHEVの魅力
まずは往路で乗ったエクリプスクロスPHEV。久しぶりに乗ってみると軽快でキビキビした走りをあらためて見直した。
最近、アウトランダーPHEVの評判が良すぎるもんで、エクリプスクロスPHEVの存在感がやや薄れていた感があったのだが、ほぼ200kg軽い車重の影響は小さくない。
それを明確に感じるのが、登りのワインディングだ。上信越道を佐久ICで降りて女神湖へ向かうルートは、この季節ところどころにアイスバーンが残る油断できない路面状況で、しばしば「ズザッ」と滑って姿勢が乱れそうになる。
こういうシチュエーションでは、トラクション性能を高めるGRAVELモードを選んでおくと、ドライバーの意思がダイレクトに伝わって乗りやすい。
不用意にリアが滑らないのはもちろん、積極的アクセルを踏んでやると、きちんと曲がりながら効率よく路面にトラクションが伝わり、難しい路面で暴れがちになるクルマをコントロールしながらアクティブに走れる。この「コントロール下に置いている感覚」が、クルマ好きとしては非常に心地よいのだ。
むしろ、シャシー性能に余裕があるだけに、前モーター82ps/137Nm、後モーター95ps/195Nmというパワーがちょっとばかり物足りなく思えてくる。アウトランダーPHEVのパワートレーンは前モーター115ps/255Nm、後モーター136ps/195Nmというスペックだが、これがエクリプスクロスPHEVに搭載されていたら、かつてのランエボを彷彿させる本格スポーツ4WDになるかも? つい、そんな妄想を抱いてしまうほどだ。
それはさておき、エクリプスクロスPHEVの軽快なハンドリングは、女神湖の氷上でもフィーリングは基本的に同じといっていい。ターンインは明らかにアウトランダーPHEVより軽快で、“攻めたい人”にはコチラの方がお薦め。ブレーキングを遅らせたりアクセルオンを早めたり、いろいろ試してみたりするのがめちゃ楽しかった。
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