■CX-60PHEVはもはや電気自動車!? スムースさが魅力
今回テストしたCX-60PHEVは充電レベル100%で音羽の編集部をスタート。バッテリーフルの状態だと、普通の市街地レベルの走りではEVモードを選択しなくてもほぼエンジンが始動することはなく、走行感覚はBEVそのもの。とりわけ低速域の静粛性は抜群で、スムースかつ静々と首都高入り口を目指す。
首都高のETCゲートをくぐって合流のためにアクセルを踏み込むと、エンジンが始動するとともにイッキに加速。この辺のドライバビリティは、フィーリング的にはトルクに余裕のある大排気量NAエンジンっぽいもので、スポーティなサウンドをともなって高回転域まで延びてゆく。
駆動モーターは129kW/270Nmと余裕あるスペックだから、巡航スピードに達してアクセルを戻せばただちにEV走行に復帰。EVモードを選択すれば高速道路における100km/h巡航程度はらくらくモーターでこなすから、たぶん初めて乗った人は「PHEVってエンジン車というよりBEVっぽさが強いんですね」という感想を抱くと思う。
バッテリー満タンからのEV航続距離はカタログ値で74km(WLTC)とされているが、ざっくり「60kmは固い」と考えておけばOK。都心を出発してアクアライン経由館山道というルートだと、だいたい君津PAあたりで電池残量が2割を切るくらいになる。
■燃費も航続距離も向上!! PHEVを充電する意味は大いにアリ
本来、PHEVの魅力は「電池がなくなっても燃料がある限り内燃機関で走り続けられる」というところだが、今回は敢えて君津PAでバッテリーをチャージ。当たり前だが、充電後は燃費も航続距離も伸びるというメリットも存在する。
17.8 kWhのリチウムイオン電池が8割程度まで充電されたところでBEV車がやってきたので、場所を空けてあげるためそこで充電を打ち切る。
急速充電器に接続していた時間は20分ほど。PHEVはBEVよりバッテリー容量が小さめだからSOC(充電状態)の上昇はクイックだし、最終的にはエンジンで走り続けられる。BEVの後続車が来たら場所を譲ってあげる余裕があるわけだ。
今回、君津PAの充電器でバッテリーチャージした理由の一つは、車載バッテリーというエネルギー源があることで広がるPHEVのユーティリティを確認するというテーマがあったからだ。
■アウトドア&災害時こそPHEVの真骨頂!! 家電も車内でフツーに使えちゃう
ラゲッジルームに用意されたAC100V/1500Wコンセントを、家電やアウトドア用具の電源として利用するといったユースケース。もちろん、最近は普通のハイブリッド車でもAC100V/1500W電源は珍しくないが、バッテリー容量の大きさからくる使い勝手の差はバカにならない。
キャンプで野営する際などの電源として使うにも、バッテリー容量17.8 kWhなら計算上ではあるが500wの家電を、エンジンをかけず24時間以上つけっぱなしにできる。
コレはレジャーだけではなく災害時にも頼りになる機能で、3.11の災害を機に、BEV、PHEVユーザーと自治体が災害時利用協定を結ぶなどの施策も進んでいるほど。こういう非常時には、停電時でも燃料がある限り電源車として機能し続けるPHEVのロバスト性が頼りにされている。



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