■快適な走りを生む新エンジン
TEXT/諸星陽一
日産デイズのパワーユニットは実に快適で扱いやすかった。なにより今までのどの軽自動車ユニットよりもシステム全体として厚みを感じることができた。
試乗車はNAモデルで最高出力は52ps、最大トルクは60Nm(6.1kgm)なので、ライバルとの大きな差はない。
しかしながら、最大トルク発生回転数は3600回転とかなり低め。アクセルをいっぱい踏まなくても、しっかり加速してくれる。さらにSハイブリッドはモーターによるアシストで発進時から力強いトルクを体感できることと、アイドリングストップからの再始動がスムーズで静粛性の高い部分も見逃せない。
低速時のステアリング操舵力は軽く、駐車場内などでは軽々と操作できる。この時の操舵感に軽薄さがないのも好感度の高い部分、一方で高速道路などスピードが上がると、センターでビシッとした中立感が与えられ、安定感にあふれたクルージングを可能にしている。
■クラスを超えた広さの秘密
もともとハイトワゴン系の軽自動車は高いユーティリティを持っているが、日産デイズはフルモデルチェンジによって、プラットフォームを一新。ずば抜けた広さを確保した。65㎜も延長されたホイールベースを生かし、リアシートのニールームは先代比で70㎜延長と、その進化には目を見張る。単純に広いだけでなくフロアの平坦さは目を見張る。背の高い荷物はここに積めばよく、実用性も高い。
一体スライド、独立リクライニングのリアシートは使い勝手もいい。従来、軽自動車のリアシートは軽視されがちだったが、広さも座り心地もコンパクトカーを超える。
■軽NO.1の先進安全装備
日産デイズにもプロパイロット(追従型のクルーズコントロールにハンドル、アクセル、ブレーキが自動で制御)が装備された。
プロパイロットは先行車との車間距離を一定に保って(3段階に調整可能)走る追従走行が可能。停止時まで機能するので渋滞時は特にその恩恵を受けられる。
停止時はステアリングの「RESボタン」またはアクセルを少し操作すれば追従を再開する。さらに車線の中央を維持するという機能があり、カーブも車線を読んでトレースする。トレース性能は高く、しっかり車線の中央を維持していく。横浜周辺の首都高速での使用では、自分でステアリングを操作しなくても走れるほど(もちろんステアリングを保持していないとアラームで保持を促される)の正確さを持っていた。
ペダル踏み間違いによる事故を防止する「踏み間違い衝突防止アシスト」には前進・後退時の作動のほか、軽で唯一の歩行者検知機能が搭載される。また、いわゆる衝突被害軽減の緊急ブレーキも装備。対クルマでは約10〜80㎞/h、対歩行者では約60㎞/以下で作動する。
エアバッグはフロントデュアルに加えて、フロントサイド、前後カーテンまでを標準装備するという充実さ。
さらに「SOSコール(ヘルプネット)」も採用。エアバッグセンサーや衝突センサーの情報から事故を判断。万が一の事故の際にはオペレーターに自動で通報されるほか、ルーフに取り付けられたスイッチを押せば、乗員がオペレーターと通話することもできる。自動通報付きのヘルプネットを装備する軽自動車は日産デイズが初となる。
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